学会・ウェビナーで配るスライド:主催者に渡す PowerPoint から参加者全員に届くことがあるもの
最終更新日:2026 年 10 月 27 日
要点:発表に使うスライドは作業中のファイルで、主催者はそれと同じファイルを申込者全員に配ることがあります。社内の資料から作った発表には、別の相手向けの非表示のスライド、発表者ノート、リハーサルで見てくれた人のコメント、セクション名、リンクした動画のパス、プロパティの名前が残っていることがあります。発表用のファイルは手元に置き、配るための写しを別に作って掃除し、確かめてから渡します。
この記事は、発表の中身ができたあとの段階、つまり学会、ウェビナーの主催者、イベントのプラットフォームに .pptx を渡すときのためのものです。渡したファイルは参加者に配られ、ダウンロードできるよう掲載され、記録として保管されることがあります。一つひとつの消し方と、ドキュメント検査がそれをどう扱うかはPowerPoint の発表者ノートとコメントの記事と非表示スライドと隠れた図形の記事にあります。この記事は、配る写しに何を入れるかの決め方を扱います。下の例は典型的な場合で、実際の事例を伝えるものではありません。
渡したあと、ファイルが行く先
主催者に送ったスライドは、自分のものではないノート PC で開かれ、プラットフォームにアップロードされ、参加者に送られることがよくあります。PDF ではなく、送った .pptx のままのこともあります。どれも、あとから掃除できない写しです。ですから配る写しは、主催者だけでなく、届くかもしれない一番広い相手に合わせて作ります。あわせて、ファイルを配るのか、どの形式で配るのかを、前もって主催者に尋ねておくとよいでしょう。
発表のスライドに入っているもの
| もの | ある場所 | 参加者がファイルを持つと困る理由 |
|---|---|---|
| 別の相手向けのスライド | 非表示のスライド。発表の元にした社内資料や営業資料のものが多い | 公開の発表に出すつもりのなかった顧客名、価格、結果 |
| 話すつもりだったこと | 各スライドの下の発表者ノート(中の画像も) | 余談、見せないことにした数字、聴衆についての覚え書き |
| リハーサル | コメントと返信、それぞれ書いた人の名前付き | 同僚の名前と、下書きへの一言 |
| 作業の分け方 | スライド一覧のセクション名 | セクションで作業を分けたなら、同僚や取引先の名前 |
| 動画の出どころ | リンクした動画や音声のファイルのパス | パスに入ったユーザー名やネットワークのフォルダー名 |
| 作った人 | 作成者と最終更新者、タイトルとカスタム プロパティ | 同僚の個人名、社内の管理番号、「案」「社内用」などの書き込み |
社内の資料から作った発表
学会の発表は、もうあるスライドを組み合わせて作ることがよくあります。営業資料、案件の振り返り、去年の発表です。新しい聴衆に合わないスライドは、質問されたときのために、削除せず非表示にされます。Microsoft のページ「スライドの表示と非表示を切り替える」は、スライドを非表示にする理由として、内容について詳しさの違うスライドを相手に合わせて用意する使い方を挙げ、「非表示のスライドはファイルに残ります。スライド ショー ビューを実行すると非表示になります。」と書いています。スライドをダウンロードした人は、非表示のスライドも受け取ります。配る写しでは一枚ずつ再表示し、一般の参加者に渡さないスライドはすべて削除します。会場で予備のスライドが要るかもしれないなら、発表用のファイルにだけ残します。
スライドの元になったものも同じです。社内の報告書から貼ったグラフは裏のブックを持っていることがあり(PowerPoint のグラフに残る Excel の元データの記事)、スライド マスターには前のテンプレートの名前が残っていることがあります(前の会社や案件のテンプレートの記事)。
ノートは自分用か、参加者用か
ノートを配布資料として参加者に渡したい発表者もいますが、たいていのノートは発表者のために書かれています。自分のノートがどちらなのかを決めます。参加者に渡すなら、ノートの各ページをスライドと同じつもりで読み、中の画像も探します。渡さないなら、配る写しから消します。どちらの場合も、配る写しは発表に使うファイルではないので、自分のノートは手元に残ります。
リハーサルのコメントと、セクション名
同僚に見てもらった発表には、たいていその人たちのコメントが、書いた人の名前付きで残っています。配る写しでは、解決済みのものも含めて消します。消し方は発表者ノートとコメントの記事にあります。
セクション名は、コメントではなくスライド ショーにも出ないので、見落としやすいものです。Microsoft のページ「PowerPoint スライドをセクションに整理する」は、「同僚との共同作業中、各セクションの所有権を個人に割り当てることができます。」と書き、「入力した名前は、各セクションの上に見出しとして表示され、セクション内のスライドの数がかっこ内に表示されます。」と書いています。PowerPoint でファイルを開いた人は誰でも、スライド一覧でそれを見ます。人、取引先、社内の案件の名前が入っているなら、配る写しでセクションの名前を変えるか削除します。
スライドの動画
リンクして入れた動画は、主催者のノート PC では再生できないことがあり、ファイルにはその動画があなたのコンピューターやネットワークのどこにあったかが記録されたままです。配るスライドでは、リンクした動画を削除してコンピューターから入れ直す(既定で埋め込まれます)か、外します。置き場所の見つけ方、入れ直し方、埋め込んだ動画が持つ情報はPowerPoint の動画に残るパスとユーザー名の記事にあります。
ファイルに付く名前
Microsoft のページ「ドキュメント、プレゼンテーション、またはブックの作成者名を変更する」は、PowerPoint は PowerPoint のオプションの設定を使って、新しく作るプレゼンテーションの作成者を入れると書き、「また、[ユーザー名] 設定には、コメントと変更履歴に表示される名前と頭文字が指定されます。」と書いています。同僚の .pptx から始めたスライドは、会社の「テンプレート」と呼ばれていても実はプレゼンテーションだったものも含め、作成者がその同僚の名前のままのことがあります。Microsoft のドキュメント検査のページは、ドキュメントのプロパティに「最後にドキュメントを保存したユーザーの名前」のような自動で管理される情報も含まれると書いています。表紙のスライドに自分の名前を出すかは自分で決めることですが、プロパティに入った同僚の名前は参加者には要りません。手順はWord の作成者名を消す記事にあり、PowerPoint の[ファイル]→[情報]でも同じです。
.pptx の代わりに PDF で渡すとき
主催者が PDF を受け付けるなら、PDF に何が入るかは書き出しのオプションで決まります。Microsoft のページ「PowerPoint プレゼンテーションを PDF ファイルで保存する」は、Windows の[オプション]について、「適切なオプションを選択して、スライドの枠、非表示のスライド、コメント、インク、およびドキュメントのプロパティやドキュメント構造タグなどの印刷対象外の情報を PDF に含めることができます。」と書いています。[発行対象]では[スライド]を選びます。[ノート]を選ぶと、発表者ノートが PDF に入ります。非表示のスライド、コメント、インク、ドキュメントのプロパティは外します。Microsoft のページ「Office デスクトップ アプリで PDF または XPS に保存または変換する」は、「スクリーン リーダー ソフトウェアを使用するときに文書を簡単に読めるようにするには、[アクセシビリティ用のドキュメント構造タグ] を選択します。」と書いています。これは残し、書き出す前に各画像の代替テキストを読みます。書き出したら、PDF のプロパティを開きます。Mac については、同じ PowerPoint の PDF のページが「ノートを保存する、配布資料としてスライドを保存する、非表示のスライドを PDF に含める、PDF のファイル サイズを小さく設定するなどの機能は使用できません。」と書いています。スライドに見えているものは、そのまま PDF に入ります。詳しくはOffice から PDF に書き出すと残る作成者の記事に、発表の動画はPowerPoint を PDF・動画・画像にしたとき残るものの記事にあります。
配る写しの作り方
- 写しを作ります。発表に使うファイルは手元に残し、参加者向けの名前で別の写しを保存します。
- 非表示のスライド。写しで非表示のスライドをすべて再表示し、一般の参加者に渡さないものを削除します。
- ノート。配るならスライドと同じように読み、配らないなら消します。ドキュメント検査を使うなら、ノートの画像は手で消します。ドキュメント検査のページは、「この検査では、プレゼンテーションのノート セクションに追加された画像を削除することはできません。」と書いています。
- コメントとセクション。コメントをすべて消し、セクションの名前を変えるか削除します。
- 動画。Windows なら[ファイル]→[情報]に[リンクの表示]が出ているかを見て、リンクした動画や音声を埋め込みで入れ直すか、外します。
- プロパティ。Windows なら[ファイル]→[情報](Mac なら[ファイル]→[プロパティ])で作成者を出したい形にし、公開する写しに合わないタイトルとカスタム プロパティを消します。
- ドキュメント検査。Windows なら、写しでドキュメント検査([ファイル]→[情報]→[問題のチェック]→[ドキュメントの検査])を使います。ノートを参加者に渡すなら、[検査]の前に[プレゼンテーション ノート]のチェックを外します。Microsoft は、ドキュメント検査で削除したデータは元に戻せないことがあるので、元のファイルのコピーで使うよう強く勧めています。Mac での確かめ方は隠しデータの種類と確認方法の記事にあります。
- 見直します。送る前に写しをもう一度開き、標準表示ですべてのスライドを見ます。
写しを自分で確かめる
- 配る写しをもう一つ写し、拡張子を .zip にして展開します。
ppt/slidesの各ファイルの先頭のp:sld要素を見ます。show="0"かshow="false"が非表示のスライドの印です。ppt/notesSlidesのフォルダーがあればノートのページが残っています。ppt/commentsのフォルダーにコメントが、ppt/authors.xmlかppt/commentAuthors.xmlにその書き手の名前があります。ppt/presentation.xmlでsectionLstを検索します。その中のsection要素は、それぞれnameを持っています。- パッケージの中のすべての
.relsファイル(たとえばppt/slides/_rels、ppt/charts/_rels、ppt/slideLayouts/_rels、ppt/slideMasters/_rels、ppt/notesSlides/_relsの下)でTargetMode="External"を検索します。見つかったものはファイルの外を指していて、そのTargetがパスかアドレスです。 docProps/core.xmlに作成者と最後に保存した人が、docProps/custom.xmlにカスタム プロパティがあります。
ScrubDrop がすること
ScrubDrop は .pptx をブラウザーの中で読み、ファイルはアップロードしません。見つけたものを一覧にします。プロパティ、書いた人の名前が付いたコメント、非表示のスライド、発表者ノート(ScrubDrop の表記は「スピーカーノート」)、スライド外のオブジェクト、リンクした動画のパスを含む他のファイルへのリンク、画像のメタデータと、そのほかの扱う種類です。無料版は 1 回に 1 ファイルで、プロパティとコメントを取り除きます。PowerPoint がファイルに残す、誰がどのスライドを編集したかの記録は、いつも取り除きます。
ScrubDrop Pro では、非表示のスライド、発表者ノート(ノートのページごと、中の画像も)、スライド外のオブジェクト、他のファイルへのリンク、JPEG・PNG・GIF・SVG の画像のメタデータ(写真のカメラ、GPS の位置、日時など。ほかの形式の画像は、メタデータを確かめていないと示します)も取り除き、複数のファイルをまとめて掃除して ZIP で返します。リンクした動画への参照は、他のファイルへのリンクと一緒に取り除きます。一部のスライドだけを表示する設定のプレゼンテーションは、非表示のスライドを取り除くとどのスライドが表示されるかが変わるので断ります。先に PowerPoint ですべてのスライドを表示する設定にするか、「隠れたシート・行・列・スライド・図形・文字」のチェックを外してください。埋め込んだ動画と音声はそのまま残して中は見ず、セクション名も残します。セクション名は PowerPoint で変えてください。どのスライドを参加者に渡すかは ScrubDrop には決められません。掃除したファイルは、書き出しに使ったものとは別の読み取りのソフトウェアで読み直し、確認を通らないファイルは渡しません。送る前に、開いて見直してください。
よくある質問
主催者は PDF しか受け取りません。それでも .pptx を掃除する必要がありますか?
.pptx も送るときだけです。Microsoft のページは、Windows で PDF に含めるかを選ぶオプションに、非表示のスライド、コメント、インク、ドキュメントのプロパティを挙げています。それを外してスライドを発行し、すべてのスライドに見えているものを確かめてください。見えているものはそのまま PDF に入ります。
非表示にした予備のスライドは、参加者に見えますか?
.pptx を受け取ったなら見えます。Microsoft のページは、非表示のスライドはファイルに残り、スライド ショーで飛ばされるだけだと書いています。配る写しからは削除し、会場で要るなら発表用のファイルに残してください。
主催者のノート PC で流すので .pptx がほしいと言われました。どうしますか?
発表用のファイルではなく、配る写しを送ります。非表示の予備のスライドとノートは手元に残ります。リンクした動画は、そこでは再生できないことがあり、あなたのコンピューターのどこにあったかを記録しているので、埋め込みで入れ直します。人の名前が入ったセクションは名前を変えます。
出典:このページからリンクした Microsoft のページは 2026 年 10 月 27 日に確認しました。ScrubDrop は Microsoft と提携していません。
主催者に渡す前に、スライドを確かめてください。ブラウザーの中で動き、アップロードしません。無料版は 1 回に 1 ファイルで、ScrubDrop が扱う種類のうち見つけたものはすべて一覧にし、プロパティ・コメントを取り除き、変更履歴は承諾して取り除きます。ファイルを確認