Office から PDF に書き出すと、作成者やメタデータはどこまで残るか
最終更新日:2026 年 10 月 17 日
要点:PDF はページを記録する形式で、Office のファイルそのものではないので、隠れたデータの多くは書き出しで置いていかれると考えられます(何を入れないかを一つずつ書いた Microsoft のページは見つけられませんでした)。そして、置いていかれないものもあります。文書のプロパティ(作成者・タイトルなど)は、オプション次第で PDF に入ります。変更履歴・コメント・発表者ノート・非表示のスライドも、選び方によって入ります。[オプション]で文書のプロパティを外し、出すものだけを選んで書き出し、最後に PDF のプロパティを開いて確かめます。ページに見えている文字と画像も PDF に入ります。画像は保存のしかたが書き出しで変わることがあり、元の画像の撮影情報などが引き継がれるかどうかは確かめられませんでした。
書き出しのオプションで引き継がれるもの
Microsoft のページ「Office デスクトップ アプリで PDF または XPS に保存または変換する」は、保存のダイアログの[オプション]を説明しています。Word について、ページと一緒に何が出ていくかを決める項目は次のとおりです。
- 文書のプロパティ:「PDF に文書プロパティを含める場合は、[文書プロパティ] が選択されていることを確認します。」作成者・タイトル・会社名を出したくないなら、この項目を外します。
- 変更履歴:「変更履歴を PDF に含めるには、[発行対象] の下で [変更とコメントの内容を含む文書] を選択します。」保存する前に、どちらが選ばれているかを確かめます。
- ブックマークとドキュメント構造タグ:構造タグは、Microsoft の説明では、スクリーン リーダーで文書を読みやすくするためのものです。外す必要はありませんが、図に付けた代替テキストは読み上げられる前提で書かれていることを覚えておいてください。
PowerPoint については、Microsoft のページ「PowerPoint プレゼンテーションを PDF ファイルで保存する」が、「スライドの枠、非表示のスライド、コメント、インク、およびドキュメントのプロパティやドキュメント構造タグなどの印刷対象外の情報を PDF に含めることができます」と書いています。[発行対象]では、スライドの代わりに配布資料やアウトラインなどを選べます。ノートのページを選ぶと、発表者ノートが PDF に入ります。Mac については同じページに、「ノートを保存する、配布資料としてスライドを保存する、非表示のスライドを PDF に含める」などの機能は使用できないとあります。
Excel で選ぶのは、どこを出すかです。Microsoft のページ「シートまたはブックをプリントする」は、Mac 版 Excel の[プリント]ダイアログについて、印刷対象を「選択範囲、作業中のシート、またはブック全体」から選ぶと書き、「既定では、すべての作業中のシートをプリントします。」としています。お使いの書き出しや印刷のダイアログでも、同じ選択を確かめてください。ブック全体を出すときに非表示のシートが入るかどうかを書いた Microsoft のページは見つけられなかったので、PDF のページ数を、送るつもりのシートと突き合わせてください。
PDF がメタデータを持つ 2 つの場所
PDF の規格 ISO 32000-1(Adobe が公開している版、英語、§14.3)は、メタデータを置く場所を 2 つ定めています。
- 文書情報辞書:昔からの場所で、Title(タイトル)・Author(作成者)・Subject(件名)・Keywords(キーワード)・Creator・Producer・作成日時と更新日時などの項目があります。Creator は元の文書を作ったアプリ、Producer は PDF に変換したアプリです。
- XMP のメタデータ ストリーム:Adobe が定めた形式で、のちに ISO 16684-1 になりました(Adobe の XMP の資料、英語)。規格はこちらを今の推奨の方法としていて、文書全体だけでなく、画像などの部品ごとに付けることもできます。
Office が 2 つのどちらに書くのか、版によって違うのかを書いた Microsoft のページは見つけられませんでした。Creator と Producer に Office が何を書くかも、Microsoft のページでは確かめられませんでした。規格はこの 2 つをプログラムの名前の欄と定めていますが、文書のプロパティを外したときに Office がこれらの欄に書くかどうかは、確かめられる資料が見つかりませんでした。書き出した PDF で、下の手順で両方の場所とこれらの欄を確かめてください。
引き継がれないと考えられるもの
PDF はページを記録する形式なので、Office のファイルのうち印刷されない部分は、上のオプションで選ばなければ PDF に入らないと考えられます。ただ、書き出しが何を入れないかを一つずつ書いた Microsoft のページは見つけられませんでした。次のものは、PDF に入らないと考えられる例です。書き出した PDF は、下の手順で確かめてください。
- Excel のピボットのキャッシュ・定義名・他のブックへのリンクのパス(それぞれが何かはExcel の個人情報を送る前に取り除く記事にあります)
- Word の編集の識別子(rsid)・文書変数・カスタム XML
- PowerPoint のスライドの外の図形と、書き出しで選ばなかったノートと非表示のスライド
PDF にして渡すのは、このためです。逆に、相手が編集できるファイルを必要とするときは PDF では代わりにならず、隠れたデータを Office のファイルそのものから取り除くことになります。
設定にかかわらず PDF に残ることがあるもの
- ページに載っているものすべて:ヘッダーの名前、セルの数字、図形の下に置いた文字。印刷されるページにあれば PDF にあり、図形で覆った文字は選択やコピーができることが少なくありません。
- リンク:ハイパーリンクは PDF でもリンクとして残ることがあります。共有フォルダーのファイルへのリンクなら、指した人にそのパスが見えます。
- 画像:貼り付けた写真が、カメラや撮影場所の情報を PDF の中でも持ち続けるかを書いた Microsoft のページは見つけられませんでした。貼る前に写真からその情報を消すか、Office のファイルを先に整えてください。
- ファイル名:名前を変えなければ、PDF は元の文書と同じ名前になります。
うまくいく順番
- Office のファイルを整えます。プロパティ・コメント・変更履歴と、隠れたデータの種類の記事にあるものです。
- 文書のプロパティを外し、出すものだけを選んで書き出します(変更履歴なし、非表示のスライドなし、ノートのページではなくスライド)。
- 下の手順で、PDF のプロパティとページを確かめます。
ScrubDrop は 1 の段階を、.docx・.xlsx・.pptx についてブラウザーの中で行います。ファイルはアップロードしません。無料版は 1 回に 1 ファイルで、見つけた隠れたデータをすべての種類について一覧にし、プロパティとコメントを取り除き、変更履歴は承諾して取り除きます。発表者ノート・非表示の内容・rsid などの構造の種類を取り除くのは ScrubDrop Pro の機能です。白い文字や小さな文字、印刷範囲の外のセルは、どちらの版でも一覧にするだけで、取り除くかはご自身で決めます。PDF は受け付けないので、2 と 3 はご自身で行ってください。
PDF を確かめる手順
- PDF のリーダーで開き、[ファイル]→[プロパティ](または文書のプロパティ)で、タイトル・作成者・件名・キーワードの欄と、作成したアプリを見ます。
- リーダーが表示できるなら、追加のメタデータや XMP のメタデータも見ます。2 つ目の場所です。
- 特別な道具を使わずにざっと見るなら、PDF の写しをテキスト エディターで開き、
/Authorとxmpmetaを検索します。PDF の中身は圧縮されていることが多いので、この方法で見つからなくても、無いとは言い切れません。 - PDF を最後のページまでめくります。コメント・ノートのページ・非表示のはずのスライドが出てきたら、書き出しのオプションが入っていたということです。
よくある質問
PDF にすれば作成者の名前は消えますか?
作成者のプロパティ(Author)は、文書のプロパティを含めない設定にすると入らないはずです。Microsoft のページは「PDF に文書プロパティを含める場合は、[文書プロパティ] が選択されていることを確認します。」と書いています。ただ、ヘッダーなどページに書いた名前や、書き出した変更履歴・コメントの名前は別です。この項目を外して書き出したら、PDF のプロパティとページの両方で名前が残っていないかを確かめてください。
変更履歴やコメントは PDF に入りますか?
設定によっては入ります。Word では[発行対象]で[変更とコメントの内容を含む文書]を選ぶと変更履歴が入ると Microsoft のページにあります。PowerPoint では、コメント・インク・非表示のスライドを含めるかが書き出しのオプションです。保存する前に[オプション]を確かめてください。
ScrubDrop で PDF のメタデータを消せますか?
できません。ScrubDrop が読むのは .docx・.xlsx・.pptx で、PDF は受け付けません。Office のファイルを先に整えてから、文書のプロパティを含めない設定で書き出し、PDF のプロパティをご自身で確かめてください。
出典:このページからリンクした Microsoft と Adobe のページは 2026 年 10 月 17 日に確認しました。
PDF にする前に、Office のファイルを整えてください。ブラウザーの中で動き、アップロードしません。無料版は 1 回に 1 ファイルで、隠れたデータはすべての種類を一覧にし、プロパティ・コメントを取り除き、変更履歴は承諾して取り除きます。ファイルを確認