PowerPoint のグラフと埋め込み Excel に残る元データ:リンクのパスと、確かめ方
最終更新日:2026 年 10 月 25 日
要点:スライドのグラフは、見えている絵だけではありません。PowerPoint で作ったグラフや、Excel から「ブックを埋め込む」の貼り付けで入れたグラフは、元データを Excel のブックとして .pptx の中に持ち、そのブックにはグラフに出ていないデータも入ることがあります。「データをリンク」で貼り付けたグラフは、代わりに Excel のファイルのパスを持ちます。埋め込んだ Excel のオブジェクトは、ファイルを丸ごと持ちます。配る前に、グラフごとに元データを開くか、写しの ppt/embeddings を見て、データを掃除するか、図として貼り直すか、リンクを解除するかを決めます。
この記事は、PowerPoint のグラフと埋め込んだ Excel に絞っています。リンクした動画・音声のパスは埋め込み動画・リンク動画の記事に、発表者ノートとコメントは発表者ノートとコメントの記事に、非表示スライドは非表示スライドと隠れた図形の記事に、Word の文書の埋め込みオブジェクトはカスタム XML・埋め込みオブジェクトの記事にまとめています。下の例は典型的な場合で、実際の事例を伝えるものではありません。
グラフのデータがある場所
| 入れ方 | データのある場所 | 一緒に入りうるもの |
|---|---|---|
| PowerPoint の[挿入]→[グラフ] | .pptx の中のブック | そのワークシートに入力・貼り付けしたもの。グラフが使う範囲の外も |
| Excel から「ブックを埋め込む」で貼り付け | .pptx の中のブック | 元のブックのほかのシート・行・コメント(入るかどうかは開いて確かめる) |
| Excel から「データをリンク」で貼り付け | .pptx の外の、元の Excel のファイル | そのファイルのパス。ユーザーのフォルダー、サーバー、顧客ごとのフォルダーの名前が入りうる |
| 「画像」で貼り付け | どこにも無い(画像) | 裏にブックもパスも無い |
| 埋め込んだ Excel のオブジェクト([挿入]→[オブジェクト]) | .pptx の中のファイル | 埋め込んだファイルの全体。スライドには最初の画面かアイコンが出る |
PowerPoint で作ったグラフはブックを持つ
Microsoft のページ「プレゼンテーションでグラフを使用する」は、[挿入]→[グラフ]でグラフを作る手順を「ワークシートが表示されるので、プレースホルダー データを自分の情報と置き換えます。」と説明しています。このワークシートは、プレゼンテーションと一緒に保存されます。ファイル形式の規格 ISO/IEC 29500(第 1 版)の文を載せている Microsoft の Open XML SDK のリファレンスは、グラフの externalData の要素を「データをリンクし、別のファイル内のスプレッドシートを指すことができます。 または、グラフを含む同じ xml パッケージ内の別の部分に含まれるデータを埋め込むことができます。 この場合は、埋め込み Spreadsheet オブジェクトとして Office Open XML 形式で格納する必要があります。」と説明しています。つまり、.pptx の中の .xlsx のファイルです。
このワークシートは、グラフの数字だけの一覧ではなく、ブックそのものです。表を丸ごと貼り付けてグラフを作り、そのうちいくつかの列だけをグラフにしたなら、表の残りもそこにあります。Microsoft のページ「既存のグラフのデータを変更する」のとおり、グラフを選んで[グラフのデザイン]タブの[データ]グループで[データの編集]を選べば開けます。[Excel でデータの編集]を選べば Excel で開きます。.pptx を受け取った人にも、同じことができます。
Excel から貼り付けたグラフ
Excel のグラフを PowerPoint に貼り付けると、Microsoft のページ「Excel から別の Office プログラムにコピーする」のとおり、[貼り付けオプション]で入れ方を選べます。ページには、[貼り付け先のテーマを使用しブックを埋め込む]、[元の書式を保持しブックを埋め込む]、データをリンクする 2 つ(ページの表記は「変換先のテーマを使用 & データをリンクする」と「ソースの書式設定 & リンク データを保持する」)、それに「画像」が並んでいます。ブックを埋め込む 2 つについて、このページは書式がどうなるかだけを書き、データがどこに入るかは書いていません。オプションの名前と上の externalData の説明から、データはプレゼンテーションの中のブックに入ると考えられます。データをリンクする 2 つは「グラフが元のワークシートにリンクされたまま」になります。「画像」は「グラフが画像として貼り付けられます」。
ブックを埋め込む貼り付けで、元のブックがどこまで入るかは、今回読んだ Microsoft のページには書かれていません。近い話題のページ「PowerPoint に Excel データを挿入および更新する」は、Excel の表を[埋め込み]で貼り付けるときの注記で、「また、Excel ファイルに対して、意図しない広範囲なアクセスを許可する結果になる可能性があります。」と書いています。埋め込んだブックがグラフの範囲だけを持つと思わず、開いて、ほかのシート、非表示のシート、コメント、ブック自体のプロパティを見てください。非表示シートはExcel の個人情報を送る前に取り除く記事に、ドキュメント検査と ScrubDrop がそれぞれ消すものはドキュメント検査と ScrubDrop の記事にあります。
リンクしたグラフはパスを持つ
「データをリンク」で貼り付けたグラフはブックを持ちませんが、ブックの置き場所をプレゼンテーションに記録します。Microsoft のページ「外部ファイルへの壊れたリンクを更新または削除する」のとおり、[ファイル]→[情報]の右下、[関連ドキュメント]の[リンクの編集]で一覧が出て、リンク先のワークシートへのパスが並びます。C:\Users\(名前)\… や共有フォルダーのようなパスからは、ユーザー名、サーバー、途中のフォルダーの名前が分かり、そこに顧客や案件の名前が入っていることもあります(この例は Microsoft のページのものではありません)。同じページによると、[リンク解除]をすると「コンテンツは引き続きスライドに表示されますが、リンクされるのではなくプレゼンテーションに埋め込まれます」、Excel のグラフなら「スライドに表示されるグラフ データは静的になります」。リンクを解除したら、そのグラフを埋め込みのグラフとして確かめ直します。[リンクの編集]の一覧の見方は埋め込み動画・リンク動画の記事にもあります。Excel のブックの中のリンクのパスはExcel に残るフォルダーのパスの記事にあります。
埋め込んだ Excel のオブジェクト
オブジェクトとして入れた Excel のブック([挿入]→[オブジェクト]など)は、ファイルとしてプレゼンテーションの中に入り、スライドにはその一部の絵が出ます。Microsoft のドキュメント検査のページは、PowerPoint の「ドキュメント検査で見つけて削除できない情報」に「埋め込まれたファイルまたはオブジェクト」を挙げ、例に「Microsoft Graph グラフ オブジェクト」や「Word ドキュメント オブジェクト」を並べています。理由は「ドキュメント検査では、プレゼンテーションが正しく機能しなくなる可能性があるため、これらの項目を削除できません。」で、自分で削除するか、非表示のデータを持たないもの(静的な画像など)に置き換えるよう勧めています。ページは項目の説明で「埋め込みオブジェクト (グラフや数式など)」と書いていますが、[挿入]→[グラフ]で作ったふつうのグラフの裏のブックを見つけるかどうかは書いていません。ドキュメント検査が知らせてくれることを当てにしないでください。
プレゼンテーションの確かめ方
- PowerPoint でグラフを一つずつ選び、[グラフのデザイン]→[データの編集]→[Excel でデータの編集]で開きます。すべてのシート見出しを見て、見出しを右クリックして[再表示]で非表示のシートも見ます。コードで隠したシート(veryHidden)は[再表示]に出ないので、下の手順で取り出した .xlsx も拡張子を .zip にして展開し、
xl/workbook.xmlでstate="veryHidden"も探します(Excel の個人情報を送る前に取り除く記事)。その Excel の画面の[ファイル]→[情報]で、ブック自体のプロパティも見ます。 - [ファイル]→[情報]を開きます。ほかのファイルへのリンクがあれば、[関連ドキュメント]の[リンクの編集]にパスと一緒に並びます。Microsoft のページは、[関連ドキュメント]が出ないときはプレゼンテーションを保存しているかを確かめるよう書いています。
- もっと詳しく見るなら、写しの拡張子を .zip にして展開します。
ppt/embeddingsに、埋め込んだブックとオブジェクトが入っています。そこにある .xlsx はブックそのものなので、取り出して開きます。ここに大きな部品があれば、ファイルが内容のわりに大きいときの理由にもなります。ppt/chartsには、グラフごとのchartN.xmlの部品があり、スタイルや色の部品が並ぶこともあります。その_relsフォルダーの、グラフごとの関係のファイルに、使っている埋め込みのブックか、リンク先の外のファイルが書かれています。
- 部品と、展開した埋め込みのブックの中も、顧客の名前、ファイルのパス、人の名前で検索します。
PowerPoint での取り除き方
- グラフのブックを掃除する。写しで[Excel でデータの編集]を開き、グラフに要らないシート・行・コメントを削除します。グラフが同じ数字を表示しているかを確かめます。
- 相手が編集しないなら、図として貼り直す。Microsoft のページによると、「画像」で貼り付けたグラフは「編集または更新できません」。裏にブックはありません。
- リンクしたグラフは、リンクを解除するか張り替える。[リンクの編集]で行い、そのあと上のとおり確かめ直します。
- 埋め込んだ Excel のオブジェクトは置き換える。スライドに要る数字だけの画像か表にします。
ScrubDrop がすること
ScrubDrop は .pptx をブラウザーの中で読み、ファイルはアップロードしません。無料版でも(1 回に 1 ファイル)、グラフの埋め込みのブックとほかの埋め込みオブジェクトを「埋め込みオブジェクト(OLE・グラフのデータのブック・コントロール)」に部品の名前で、リンクしたグラフのリンク先を「他のファイルへのリンク」にパスと一緒に示します。無料版が取り除くのはプロパティ・コメント・変更履歴です。埋め込みのブックは名前を示しますが、中身は一覧にせず、掃除もせず、そのまま残します(掃除したファイルでは部品の名前が変わることがあります)。プレゼンテーションに残るブックは、非表示のシートも含めて自分のシートと自分のプロパティを持ったままです。Excel で開くか、ppt/embeddings から取り出して、ブックとして確かめてください。取り出した .xlsx は ScrubDrop でも確かめられます。
埋め込みオブジェクトとほかのファイルへのリンクを取り除くのは ScrubDrop Pro の機能です。PowerPoint で保存したものではない、手で書いた合成のプレゼンテーション(グラフ 1 つのデータが埋め込みのブック、もう 1 つがファイルのパスへのリンク)で試しました。埋め込みオブジェクトを取り除くと、グラフのブックと、グラフからそのブックへの参照が外れ、グラフの部品は保存されていた値とラベル(キャッシュ)を持ったままになります。ファイルの中にグラフのブックは残りません。シート名や範囲のような、グラフからセルへの参照は文字として残ります。リンクを取り除くと、パスが消えます。できたファイルを PowerPoint がどう開くかは確かめていません。スライドの上の埋め込んだ Excel のオブジェクトは、エンジンの作りでは、その表示用の画像に置き換わり、画像が無ければ取り除かれます(この試しのファイルには入れていません)。ScrubDrop は掃除したファイルを、書き出しに使ったものとは別の読み取りのソフトウェアで読み直し、確認を通ったものだけを渡します。
よくある質問
PowerPoint のグラフの裏の Excel のデータは、受け取った人に見えますか?
グラフのデータが埋め込まれていれば見えます。[挿入]→[グラフ]で作ったグラフや、「ブックを埋め込む」で貼り付けたグラフは .pptx の中にブックを持ち、[データの編集]で開けます。配る前に自分で開き、グラフに要らないものを削除してください。
ドキュメント検査で、PowerPoint に埋め込んだ Excel は取り除けますか?
取り除けません。Microsoft のページは、埋め込まれたファイルとオブジェクトを、PowerPoint のドキュメント検査が見つけても削除できない項目に挙げています。プレゼンテーションが正しく機能しなくなる可能性があるためです。自分で削除するか、画像などに置き換えてください。
リンクしたグラフからは何が分かりますか?
リンク先の Excel のファイルのパスで、[ファイル]→[情報]→[リンクの編集]に出ます。パスから、ユーザーのフォルダー、サーバー、案件のフォルダーの名前が分かることがあります。リンクを解除するとグラフのデータは静的になり、内容はプレゼンテーションに埋め込まれるので、解除したあとにもう一度確かめてください。
出典:このページからリンクした Microsoft のページは 2026 年 10 月 25 日に確認しました。ScrubDrop は Microsoft と提携していません。
配る前に、プレゼンテーションのグラフの裏に何があるかを確かめてください。ブラウザーの中で動き、アップロードしません。無料版は 1 回に 1 ファイルで、ScrubDrop が扱う種類のうち見つけたものはすべて一覧にし、プロパティ・コメントを取り除き、変更履歴は承諾して取り除きます。ファイルを確認