PowerPoint の発表者ノートとコメントを配布前に消す — ドキュメント検査の手順と、残るもの
最終更新日:2026 年 10 月 7 日
要点:発表者ノートは、発表中は聴衆に見えません。けれども .pptx のファイルを渡せば、受け取った人はノートを開いて読めます。コメントも、表示を切り替えただけではファイルに残ります。配る前に、Windows の PowerPoint ならドキュメント検査で「プレゼンテーション ノート」と「コメントとインク注釈」をまとめて削除します。ただしドキュメント検査は、ノートに貼った画像を削除できません。
この記事の手順と注意は、Microsoft の日本語のサポート記事(スライドに発表者のメモを追加する、プレゼンテーションでコメントを追加、変更、非表示、削除する、ドキュメント検査の説明、PowerPoint プレゼンテーションを PDF ファイルで保存する)に沿っています。画面の名前は Microsoft 365 の PowerPoint の表記で、版によって少し違うことがあります。
発表者ノートとコメントは、ファイルのどこに残るか
発表者ノートは、スライドごとに書けるメモです。Windows では画面の下にある[ノート]を選ぶと、スライドの下にノートの欄が開きます。Microsoft の説明では、プレゼンテーション中、発表者ノートは自分のモニターに表示され、聴衆には表示されません。発表者ツールを使えば、プロジェクターに映るのはスライドだけです。
Mac の PowerPoint では[表示]メニューの[標準]を選ぶと、スライドの下にノートの欄が出ます。Web 版の PowerPoint for the web でも発表者ノートは作れますが、Microsoft の説明では、スライド ショーの発表中にノートを表示する機能はありません。どの版で書いたノートも、ファイルの中では同じようにスライドに付いて保存されます。
ここで見落としやすいのは、「聴衆に見えない」のは発表しているあいだの話だということです。ノートはスライドと同じファイルに保存されています。発表に使ったファイルをそのまま共有フォルダーに置いたりメールで送ったりすれば、受け取った人は PowerPoint で開いてノートの欄を見るだけで、話す予定だった内容や「ここは触れない」といった覚え書きを読めます。
コメントも同じです。コメントはスライドに付けたメモで、返信が付くとスレッドになり、書いた人の名前が残ります。[校閲]タブの[コメントの表示]は画面に出すかどうかの切り替えで、表示を消してもコメントはファイルに残ります。もう一度表示すれば同じコメントが出てくることからも分かります。
ノートに書かれるのは、話す順番のメモだけとは限りません。想定される質問への答え、数字の根拠、社内の事情、「この点は聞かれるまで言わない」といった判断など、発表者が自分のために書いたことが多く、聴衆向けに書かれていません。印刷でも同じで、印刷のレイアウトに「ノート」を選ぶと、スライドの下にノートの文字が付いた紙が出ます。配布資料として印刷するときは、ノートではなく配布資料やスライドのレイアウトを選びます。
1 件ずつ消す
ノートは、ノートの欄の文字を選んで削除します。スライドが多いと見落としが出やすいので、件数が多いときは次のドキュメント検査を使うほうが漏れを減らせます。
コメントは、Microsoft の手順では[コメント]ウィンドウで削除するコメントを選び、[その他のスレッド アクション](…)から[スレッドの削除]を選びます。スレッドごと消えるので、返信も一緒に消えます。
まとめて消す:ドキュメント検査(Windows)
- 元のファイルのコピーを作り、コピーを開きます。Microsoft は、ドキュメント検査で削除した内容は[元に戻す]で戻せない場合があるため、コピーで実行することを勧めています。
- [ファイル]タブ、[情報]、[問題のチェック]、[ドキュメント検査]の順に選びます。
- 検査する項目のうち「コメントとインク注釈」と「プレゼンテーション ノート」にチェックが入っていることを確かめ、[検査]を選びます。
- 結果で見つかった項目の[すべて削除]を選びます。ほかの項目(ドキュメントのプロパティと個人情報、非表示のスライド上のコンテンツ、オフスライド コンテンツなど)も、配る相手に見せたくないものなら削除します。
- 保存して閉じ、もう一度開いて、ノートの欄とコメントが空になったことを確かめます。
ドキュメント検査で消えないものが 1 つあります。Microsoft の説明では、この検査はノートに追加された画像を削除できません。ノートにスクリーンショットや図を貼っていたら、そのスライドのノートを開いて手で削除してください。
PDF にして渡すとき
相手が編集する必要がなければ、PDF にして渡すのも一つの方法です。[ファイル]、[エクスポート]から PDF を作り、[オプション]の「発行対象」で「スライド」を選びます。「ノート」を選ぶとノートのページが PDF になるので注意してください。同じ[オプション]には、「非表示のスライド」「コメント、インク」「ドキュメントのプロパティ」を PDF に含めるかどうかの選択もあるので、チェックを外しておきます。
配る前の確認の順番
- 発表に使ったファイルとは別に、配る用のコピーを作る。
- コピーでドキュメント検査を実行し、ノート・コメント・プロパティを削除する。
- ノートに画像を貼ったスライドがあれば、ノートを開いて画像を手で削除する。
- 非表示のスライドとスライドの外に置いたものを確かめる。
- 保存し直したファイルを開き、ノートの欄とコメントのウィンドウが空かを見る。
- PDF で渡すなら、発行対象と[オプション]の設定を確かめてから作る。
見落としやすいもの
- 非表示のスライドとスライドの外のオブジェクト:スライドショーには出ませんが、ファイルを開けば見えます。非表示のスライドは、Microsoft が挙げるドキュメント検査の項目にありません。スライド一覧で確かめ、配らないものは削除してください。ドキュメント検査の「非表示のスライド上のコンテンツ」は、スライドの上で見えないように設定したオブジェクトのことで、スライドの外のオブジェクトは別の項目「オフスライド コンテンツ」です。
- コメントの作成者の一覧とプロパティ:コメントを消しても、作成者やファイルの作成者・会社名などはプロパティに残ることがあります。
- 埋め込んだブックや文書:グラフや表のもとになった Excel のブック全体が入っていることがあります。
PowerPoint のファイルで ScrubDrop が見つけて取り除くものと、ドキュメント検査の項目との対応は、ScrubDrop が見つけて取り除くものに形式ごとの表でまとめています。種類ごとの説明はWord・Excel・PowerPoint の隠しデータの種類と確認方法にあります。
よくある質問
発表者ノートは聴衆に見えますか?
発表中は見えません。Microsoft の説明では、発表者ノートは自分のモニターに表示され、聴衆には表示されません。ただしノートはファイルに保存されているので、.pptx を渡すと受け取った人は開いて読めます。
コメントを非表示にすれば消えますか?
消えません。[コメントの表示]は画面に出すかどうかの切り替えで、コメントはファイルに残ります。消すには[スレッドの削除]か、ドキュメント検査の「コメントとインク注釈」の[すべて削除]を使います。
発表者ノートをまとめて消すには?
Windows の PowerPoint で、ファイルのコピーを開き、[ファイル]、[情報]、[問題のチェック]、[ドキュメント検査]の順に選び、「プレゼンテーション ノート」の[すべて削除]を選びます。削除は元に戻せないことがあるので、元のファイルは残しておきます。
ノートに貼った画像も消えますか?
ドキュメント検査では消えません。Microsoft の説明では、この検査はノートに追加された画像を削除できないため、手で削除します。ScrubDrop Pro でノートを取り除く場合は、ノートのページごと取り除くので、ノートにだけ貼られた画像も一緒になくなります。
配る前に、プレゼンテーションの中にあるものを一覧で確かめてください。ScrubDrop はブラウザーの中で読み、アップロードしません。無料版は 1 回に 1 ファイルで、ノート・コメント・非表示のスライドなどすべての種類を一覧にし、プロパティ・コメントを取り除きます。ノートや非表示のスライドの取り除きは ScrubDrop Pro の機能です。ファイルを確認