報道発表資料・プレスキットを記者に送る前に:Word・PowerPoint に残る名前、コメント、削った文言
最終更新日:2026 年 10 月 25 日
要点:報道発表資料は、起案、法務の確認、広報の承認と何人もの手を通ってから送られます。Word や PowerPoint のファイルには、その跡が残ることがあります。プロパティの起案者の名前、法務のコメント、変更履歴に残る削った文言や前の数字、プロパティの日時、社内の状態や施策のコードを入れたカスタム プロパティ、配布元のテンプレートの名前、トリミングした写真の切り取った部分、説明用のスライドのノートと非表示スライドです。画面で変更履歴を表示しないようにしても、変更履歴とコメントは消えません。写しで作業し、変更を一つずつ承諾するか拒否し、コメントを消し、プロパティを消し、写真のトリミング部分を削除して、送る前に確かめます。
いつ送るか、何を書くか、解禁日(エンバーゴ)をどうするかは、あなたと広報の担当者が決めることです。この記事は、ファイルが本文のほかに運ぶものだけを扱います。下の例は典型的な場合で、実際の事例を伝えるものではありません。.docx で送るか PDF で送るかの比べ方は.docx と PDF の記事(英語)に詳しく、この記事では報道資料で気をつけることだけを足します。
報道資料のファイルに残るもの
| もの | 出どころ |
|---|---|
| 起案者の名前 | プロパティの作成者と最終更新者。最初の下書きを書いた人や、ファイルを作った広報会社の担当者のことが多い |
| 法務・広報のコメント | 承認の途中で付けたコメント。書いた人の名前と日付も付く |
| 削った文言 | 変更履歴。削った談話、前の数字、動いた日付が、変えた人の名前と一緒に、承諾も拒否もしていない限り残る |
| 日時 | プロパティの作成日時と更新日時。ファイルをいつ作り、いつ最後に保存したかを示す |
| 社内の呼び名 | チームや文書管理のシステムが足したカスタム プロパティ。状態、施策のコード、顧客の名前など |
| テンプレートの配布元 | プロパティのテンプレート名と、Word なら添付したテンプレートのパス。広報会社や保存していたフォルダーの名前が出ることがある |
| トリミングした写真の残り | 切り取る前の写真の全体が、ファイルの中に残る |
| 写真の詳細 | 写真そのもののメタデータ。カメラ、撮影日時、場所が入っていることがある |
| 説明用のスライドの中身 | PowerPoint のプレスキットの発表者ノート、非表示スライド、コメント |
報道資料は引用され、転送されるために書くものなので、ファイルは送った相手よりも遠くまで届くことがあります。
承認の途中のコメントと変更履歴
Microsoft のページ「Wordで追跡された変更を承諾または拒否する」は、よくある取り違えをはっきり書いています。「追跡された変更を削除するには、変更を受け入れるか拒否する必要があります。 [ マークアップなし] ビューを選択すると、変更が一時的に非表示になります。 次にドキュメントを開くと、再び表示されます。」自分の画面できれいに見える報道資料でも、法務が削った談話を持ったままのことがあります。
すべて承諾する前に、変更を読みます。承諾すると挿入はすべて残ります。承認されていない一文を誰かが足していれば、それも残ります。拒否すると削除したものが戻ります(Microsoft のページでは、一つずつ決めるときのボタンの表記は[承諾]と[元に戻す]です)。送る版が、すべての変更を受け入れた結果と同じでないなら、一つずつ決めます。そのあと、コメントをすべて消します。誰がいつ変えたかがどこに残るかは変更履歴とコメントに残る名前と日時の記事に、[すべての変更を受け入れる]のあとも Word が持ち続けるもの(下書きどうしを結び付けうる編集セッションの ID など)はすべて承諾したあとに残るものの記事にあります。
プロパティ、カスタム プロパティ、テンプレート
Microsoft のドキュメント検査のページは、Word の[ドキュメントのプロパティと個人情報]の検査が見つけて削除するものに、「ドキュメント プロパティ ([ のプロパティ] ダイアログ ボックスの [ファイルの概要] タブ、[詳細情報] タブ、[ユーザー設定] タブの情報など)」「ユーザー名」「テンプレート名」を挙げています。[コメント、変更履歴、バージョン、および注釈]の検査は、コメント、「変更履歴マーク」、「文書のバージョン情報」を扱います。Microsoft のページ「Office ファイルのプロパティを表示または変更する」は、カスタム プロパティについて「プロパティの名前は一覧から選択することも、独自の名前を定義することもできます。」と書いています。ですから、状態、案件、顧客のような社内の言葉が入っていることがあります。
報道資料は、広報会社や部署のテンプレートから作ることがよくあります。テンプレートの名前は文書のプロパティで、Word の文書は添付したテンプレートのパスも持つことがあります。どちらもWord のプロパティに残る会社名とテンプレートの記事とカスタム XML・埋め込み・テンプレートのパスの記事にあります。
プレスキットの写真と画像
トリミングしても、ファイルから何も削除されません。Microsoft のページ「Office で図をトリミングする」は、「既定では、画像をトリミングした後、トリミングされた領域はファイルの一部として非表示になります。」と書いています。ホワイトボードを隠すために切った製品の写真も、一人だけが写るように切ったチームの写真も、写真の全体を持っています。トリミングした画像の仕組みと見つけ方は縮小版とトリミングした画像に残る内容の記事にまとめているので、ここでは報道資料で気をつけることだけを書きます。
同じページの手順では、写真を選び、[画像の圧縮]の[圧縮オプション]で[図のトリミング部分を削除する]をオンにします。削除は保存するまでなら元に戻せますが、Mac の手順の節は元に戻せないと書いているので、必要なトリミングを済ませてから行います。このダイアログ ボックスは、選んだ[解像度]に画像を圧縮もします。Microsoft のページ「Microsoft Office で画像のファイル サイズを小さくする」は、「画像を圧縮すると、細部が失われることで画像の外観が変わる場合があります。」と書いています。印刷に使う解像度の報道写真は、文書の中の画像に頼らず、写真のファイルを別に送ります。
写真は、カメラ、撮影日時、ときには場所のような、写真そのもののメタデータも持っています。Microsoft のページのドキュメント検査の一覧に、画像のメタデータはありません。場所や日時が問題になるなら、写真を挿入する前に写真のほうを掃除するか、出来上がったファイルの画像を確かめます(下の手順)。
PowerPoint のプレスキットや説明用のスライドには、発表者ノート、非表示スライド、スライドのコメントがあります。発表者ノートとコメントの記事と非表示スライドと隠れた図形の記事にまとめています。
PDF か Word か
記者は報道資料から文を写して使うことが多く、編集できるファイルを求める人もいます。PDF が運ぶものは .docx よりずっと少なく、[発行対象]で[文書]を選べばコメントも変更履歴も入りません。ただし、PDF にも PDF のプロパティがあり、文書プロパティなどはオプションで選べば入ります。Microsoft のページ「Office デスクトップ アプリで PDF または XPS に保存または変換する」は、Word の手順で、「変更履歴を PDF に含めるには、[発行対象] の下で [変更とコメントの内容を含む文書] を選択します。 または、[文書] が選択されていることを確認します。」(含めないなら[文書]を選ぶ、という意味です)「PDF に文書プロパティを含める場合は、[文書プロパティ] が選択されていることを確認します。」と書いています。報道資料なら[文書]を選び、[文書プロパティ]を外して書き出し、そのあと PDF を確かめます。PDF は Word のファイルから作るので、どちらにしても Word のファイルを先に掃除します。比べ方は.docx と PDF の記事(英語)に、PDF 自身のメタデータはOffice から PDF に書き出すと残る作成者の記事にあります。
報道資料を添付ではなく OneDrive や SharePoint のファイルへのリンクで送るなら、受け取った人がファイルのほかのものに届くことがあります。リンクと添付の記事(英語)を見てください。
送る前の手順
- 写しで作業します。承認を通ったファイルはそのまま残します。Microsoft は、ドキュメント検査で取り除いたデータは元に戻せないことがあるので、元の文書のコピーでドキュメント検査を使うよう強く勧めています。
- 変更履歴とコメント。読んでから、本文が承認された文になるよう変更を一つずつ承諾するか拒否し、コメントをすべて消します。
- 写真。図のトリミング部分を削除し、メタデータを確かめた写真を使います。
- PowerPoint。報道に渡すプレゼンテーションでは、発表者ノートを消し、非表示スライドは削除するか表示に戻します。
- プロパティ。Windows なら、ドキュメント検査([ファイル]→[情報]→[問題のチェック]→[ドキュメントの検査])を、[ドキュメントのプロパティと個人情報]と[コメント、変更履歴、バージョン、および注釈]を選んで使います(PowerPoint では[コメントと注釈][変更履歴データ][プレゼンテーション ノート]。Microsoft のページは、ノートに追加した画像はこの検査では削除できないと書いています)。作成者を広報の部署の名前などにしたいなら、検査のあとで入れ(PowerPoint では、先に下の[設定の変更]を選んでから入れます)、Word・Excel・PowerPoint のどれでも、保存して開き直してから残っているかを確かめます。PowerPoint について Microsoft のページは、ドキュメント検査で個人情報を削除したあと、[個人情報の削除が有効]通知の[設定の変更]を選ばない限り、PowerPoint は保存するときに個人情報を削除し続けると書いています。
- ファイル名。“v7 法務確認済み 最終” のような名前を、引用されてもよい名前に変えます。
- 写しをもう一度読みます。ヘッダーとフッターも読み、下のとおり確かめます。
ファイルを自分で確かめる
- 写しを作り、拡張子を .zip にして展開します。
docProps/core.xmlで作成者(dc:creator)、最後に保存した人(cp:lastModifiedBy)、日時を、docProps/app.xmlでCompanyとTemplateを、docProps/custom.xmlがあればカスタム プロパティを見ます。- Word のファイルなら、
wordフォルダーの部品をauthor=で検索します。変更履歴(<w:ins、<w:del、移動、書式の変更)もコメントも、この属性を持っています。comments.xmlとpeople.xmlがあるかも見ます。 word/mediaかppt/mediaの画像を一つずつ開きます。ページやスライドに見えていたより多くが写っている画像は、Office でトリミングしたものです。トリミングは、画像を参照する<a:blip>と同じblipFillの中の<a:srcRect>に記録されます。Microsoft の Open XML SDK のリファレンスは、ISO/IEC 29500-1 第 1 版の文として、この要素を「塗りつぶしに使用される blip の部分を指定します。」と説明しています。- プレゼンテーションでは、
ppt/notesSlidesフォルダーがあれば発表者ノートがあり、ppt/slidesのスライドにshow="0"かshow="false"があれば非表示スライドです。
ScrubDrop がすること
ScrubDrop は .docx・.xlsx・.pptx をブラウザーの中で読み、ファイルはアップロードしません。報道資料やプレゼンテーションで見つけた扱う種類の隠れた情報を、件数と短い見本付きで無料で一覧にします。画像のメタデータ(JPEG・PNG・GIF・SVG の画像。TIFF などほかの形式の画像は、メタデータを確かめていないと示します)とスピーカーノートも一覧に入ります。無料版は 1 回に 1 ファイルで、文書のプロパティ(作成者、最終更新者、日時、会社、テンプレート名、すべてのカスタム プロパティ)とコメントを取り除き、変更履歴は承諾して取り除きます。承諾すると挿入したものは残るので、承認された文がすべての変更を受け入れた結果と同じでないなら、先に Word で変更を決めてください。
ScrubDrop Pro では、変更履歴を承諾ではなく拒否すること(画面の表記は「元に戻す」)、画像のメタデータ(JPEG・PNG・GIF の画像と、SVG のメタデータ・タイトル・説明)、スピーカーノート、非表示のスライド、カスタム XML、他のファイルへのリンク(Word の添付したテンプレートのパスも含みます)を取り除くこと、プレスキットの文書のように Word・Excel・PowerPoint のファイルをまとめて扱うことが加わります。ScrubDrop が読むのはこの Office のファイルだけです。単体で送る写真・ロゴ・PDF は確かめないので、別に掃除してください。ScrubDrop は図のトリミング部分を削除しません。画像はメタデータを外すほかは描かれたものを変えないので、Office の[図のトリミング部分を削除する]を使ってください。承諾するか拒否する変更履歴と、Pro が取り除く隠れた内容のほかは、本文を変えません。ファイル名も変えず、何が解禁前なのかも知りません。掃除したファイルは、書き出しに使ったものとは別の読み取りのソフトウェアで読み直し、確認を通らないファイルは渡しません。
よくある質問
[マークアップなし]にしておけば、記者に変更履歴は見えませんか?
見えます。Microsoft のページは、[マークアップなし]では変更が一時的に見えなくなるだけで、次にドキュメントを開くと再び表示されると書いています。変更をすべて承諾するか拒否してから保存してください。
プレスキットの写真は、Word や PowerPoint に貼って送ってよいですか?
貼った写真は、トリミングで切った部分と写真のメタデータを持ったままのことがあります。デスクトップ アプリで[図のトリミング部分を削除する]を使い、印刷に使う写真は、メタデータを確かめたうえで写真のファイルを別に送ってください。
報道資料は PDF で送るべきですか?
PDF が運ぶものは .docx よりずっと少ないですが、PDF にもプロパティがあり、Word のファイルから作られます。Word のファイルを先に掃除し、PDF のオプションを選んで書き出してください。記者が編集できるファイルを求めるなら、掃除した .docx を送ります。
出典:このページからリンクした Microsoft のページは 2026 年 10 月 25 日に確認しました。ScrubDrop は Microsoft と提携していません。
送る前に、報道資料やプレスキットを確かめてください。ブラウザーの中で動き、アップロードしません。無料版は 1 回に 1 ファイルで、ScrubDrop が扱う種類のうち見つけたものはすべて一覧にし、プロパティ・コメントを取り除き、変更履歴は承諾して取り除きます。ファイルを確認