Word の変更履歴とコメントに残る名前と日時:「すべて承諾」と「保存時に個人情報を削除」でどこまで消えるか
最終更新日:2026 年 10 月 17 日
要点:変更履歴とコメントには、一つずつ書いた人の名前や日時が保存されることがあります。[すべての変更を承諾]で消えるのは変更の記録だけで、コメントは残ります。保存時に個人情報を削除する設定は、変更とコメントを残したまま名前を消す設定で、変更やコメントそのものは消しません。送る前には、変更を処理し、コメントを削除し、保存した写しで確かめます。
この記事は、変更履歴とコメントの名前と日時に絞っています。作成者や会社名などのプロパティはWord の作成者名を送る前に消す方法に、承諾と元に戻す(却下)で本文がどう変わるかは変更履歴の承諾と却下の記事にまとめています。
名前と日時はどこに残るか
.docx の形式を定めた公開の仕様 ECMA-376(英語)では、変更履歴の一つひとつ(挿入・削除・書式の変更など)とコメントの一つひとつが、書いた人の名前(author)と日時(date)を属性として持てます。コメントは頭文字(initials)も持てます。
- 変更履歴:本文のパーツ(
word/document.xml)の中、変更した箇所ごとに残ります。ヘッダーやフッター、脚注の変更も同じです。 - コメント:コメントのパーツ(
word/comments.xml)に、本文とは別に残ります。 - コメントや変更の書き手の一覧:Office 2013 以降の Word は、
word/people.xmlに書き手の一覧を持つことがあります。Microsoft の仕様 [MS-DOCX](Open XML SDK の Person クラスのページに引用)は、この一覧の各項目を、文書の中の少なくとも 1 つのコメントか変更の作成者の「連絡先情報」と定めています。
画面の表示を[変更履歴なし]にしても、これらは消えません。Microsoft のページ「Word で変更履歴を記録する」は、「変更を非表示にしても、文書から削除されることはありません。」と書いています。
「すべての変更を承諾」で消えるもの・残るもの
[校閲]タブの[承諾]から[すべての変更を承諾]を選ぶと、変更の記録は本文から消え、それぞれが持っていた名前と日時も一緒に消えます。
残るのは次のものです。
- コメント:同じ Microsoft のページは、「コメントは変更の記録機能の一部ではなくなりました。」と書いています。変更を承諾してもコメントとその名前・日時は残るので、[校閲]タブの[コメント]の[削除]から、文書のコメントをすべて削除します。
- プロパティ:作成者・最終更新者は変更履歴とは別のパーツにあり、承諾では変わりません。
- 編集の識別子(rsid):Word が編集の区切りごとに付ける番号で、承諾しても残ります。名前は持ちませんが、同じ原稿から出た写し同士を結びつける手がかりになります(rsid の記事、英語)。
- 本文に書いた名前:「〇〇さん確認済み」のような書き込みは、変更でもコメントでもないので、承諾しても残ります。
変更を承諾するか元に戻すかで本文の結果が変わります。どちらを選ぶかは承諾と却下の記事で確かめてください。
「保存時に個人情報を削除」の効く範囲
Windows の Word には、文書ごとに、保存のたびに個人情報を取り除く設定があります。Microsoft のページ「Microsoft Office で自分のプライバシー オプションを表示する」によれば、名前は「ファイルを保存するときにファイルのプロパティから個人情報を削除する」で、[ファイル]→[オプション]からセキュリティ センターの設定を開き、[プライバシー オプション]の「ドキュメント固有の設定」にあります。Word では既定でオフです。同じページには、この設定を使える文書についての条件も書かれていて、文書によっては選べないことがあります。選べないときは、ドキュメント検査で個人情報をその都度削除できると同じページにあります。
何が取り除かれるかは、Word の開発者向けリファレンスにあります。
- 名前:Document.RemovePersonalInformation のページ(機械翻訳)によれば、この設定のとき Word は保存時に、コメント・変更履歴・プロパティのダイアログからユーザー情報を取り除きます。
- 日時:Document.RemoveDateAndTime のページ(機械翻訳)は、変更履歴の日付と時刻を取り除くことを、名前とは別の設定として書いています。形式の仕様(Open XML SDK の RemoveDateAndTime のページに引用、英語)でも、日時の削除は名前の削除が入っているときだけ働きます。名前が消えても日時が残ることがあるので、保存した写しで確かめてください。
この設定が変えないものもあります。
- 変更とコメントそのもの:挿入や削除の記録、コメントの文面は残ります。誰が書いたかが分からなくなるだけで、何を直したか・何を書いたかは相手に見えます。
- すでに送ったファイル:設定は次に保存したときに効きます。設定する前に保存して渡した写しは、そのままです。
- 本文・ヘッダー・ファイル名に書いた名前:ユーザー情報の欄ではないので、対象外です。
Mac の Word と Web 版の Word について、同じ範囲を説明した Microsoft のページは見つけられませんでした。どちらで作業する場合も、保存した写しの中身を下の手順で確かめてください。
ブラウザーの中で消す
ScrubDrop は .docx をブラウザーの中で読み、アップロードしません。変更履歴とコメントを、ほかの隠れたデータと並べて種類ごとの件数といくつかの例で示します。画面に出る名前は例や選択の欄に出る分で、文書に残る名前をすべて並べるとは限りません。全員の名前を確かめるには下の手順を使います。無料版は 1 回に 1 ファイルで、コメント(書き手の一覧の people.xml も)とプロパティを取り除き、変更履歴は承諾して取り除きます。変更履歴を元に戻して取り除くことや、作成者ごとに承諾か元に戻すかを選ぶことは ScrubDrop Pro の機能で、rsid を取り除くのも Pro です。
取り除いたあとは、書き出しに使ったものとは別のパーサーで結果を読み直し、選んだ種類が残っていないこと、見えている本文が変わっていないことを確かめてから渡します。
ScrubDrop は、変更を残したまま名前だけを消すことはしません。変更を相手に見せたいまま名前を消すなら、上の Word の設定を使います。本文やファイル名に書いた名前もそのままです。
自分で確かめる手順
- 送るファイルの写しを作り、拡張子を .zip に変えて展開します。
word/document.xmlでw:author=とdateを探します。日時はw:date=のほか、新しい Word のファイルでは UTC の日時がw16du:dateUtc=という別の属性にも残ることがあります(Microsoft の仕様 [MS-DOCX]、英語)。<w:insや<w:delの中に見つかれば、変更履歴が残っています。ヘッダー・フッター・脚注のパーツ(word/header1.xmlなど)も同じように探します。word/comments.xmlの中に<w:comment(後ろに空白が続くもの。<w:commentsはコメント全体を包む要素で、コメントが 0 件でもあります)があれば、コメントが残っています。word/people.xmlの中に<w15:personがあれば、書き手の一覧が残っています。パーツのファイルがあっても中が空のことがあるので、ファイルの有無ではなく中身で判断します。新しい Word のファイルでは、word/commentsExtensible.xmlにも、コメントごとの日時がdateUtcという別の属性で残ることがあります(Microsoft の仕様 [MS-DOCX] CT_CommentExtensible、英語)。w:date=の検索では見つからないので、このパーツも開いて確かめます。- 上の 2 つの設定は、
word/settings.xmlの<w:removePersonalInformationと<w:removeDateAndTimeです(要素の名前は ECMA-376 によります)。要素があってもw:val="0"やw:val="false"ならオフです。また日時の設定は、名前の設定が入っていないと働きません。設定の有無より、手順 2 と 3 で名前と日時が実際に残っていないかを確かめるほうが確かです。
よくある質問
[すべての変更を承諾]をすれば、コメントも消えますか?
消えません。Microsoft のページは、コメントは変更の記録機能の一部ではなくなったと書いています。変更を承諾したあとも、コメントとその書き手の名前・日時は残るので、コメントは別に削除してください。
保存時に個人情報を削除する設定にすれば、変更履歴も消えますか?
消えません。Microsoft の開発者向けリファレンスによれば、この設定で保存時に取り除かれるのは、コメント・変更履歴・プロパティの中のユーザー情報です。変更とコメントそのものは残ります。日時の削除は、同じリファレンスでは別の設定として書かれています。
ScrubDrop は変更履歴の名前だけを消して、変更は残せますか?
できません。ScrubDrop は変更履歴を、承諾するか元に戻すかして取り除きます。無料版は承諾し、元に戻すことや作成者ごとに選ぶことは ScrubDrop Pro の機能です。変更を残したまま名前だけを消すなら、Word の保存時に個人情報を削除する設定を使います。
出典:このページからリンクした Microsoft のページは 2026 年 10 月 17 日に確認しました。
送る前に、変更履歴とコメントが残っていないかを確かめてください。ブラウザーの中で動き、アップロードしません。無料版は 1 回に 1 ファイルで、隠れたデータはすべての種類を一覧にし、プロパティ・コメントを取り除き、変更履歴は承諾して取り除きます。ファイルを確認