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Office のドキュメント検査と ScrubDrop — それぞれが実際に消すもの

最終更新日:2026 年 10 月 13 日

要点:Word・Excel・PowerPoint のコメントと文書のプロパティ、Word の変更履歴なら、ドキュメント検査で消せます。違いはそれ以外のところです。ドキュメント検査はヘッダー・フッター・透かしを消しますが、ScrubDrop は残します。Excel では、外部リンク、埋め込みオブジェクト、ピボットのキャッシュ、非表示の名前などをドキュメント検査は検出するだけで、ScrubDrop Pro は取り除きます(PowerPoint で検出だけなのは埋め込みオブジェクトとマクロ)。ScrubDrop は確かでないときは推測せずにファイルを断ります。

2 つの一覧の出どころ

ドキュメント検査の側は、Microsoft の日本語のサポート記事「ドキュメント、プレゼンテーション、ブックを検査して非表示のデータと個人情報を削除する」です。Word・Excel・PowerPoint のタブごとに、検査の項目と、それぞれが見つけて削除するもの、Excel と PowerPoint では見つけても削除できないものが挙がっています。この記事に無い項目は、表で資料に記載なしとし、記憶や試しで埋めてはいません。

ScrubDrop の側は、取り除くもののページ(エンジンが使うのと同じ一覧から作っています)と、その「扱わないもの」「残りうるもの」の節です。そこに無い項目も資料に記載なしとしました。

ドキュメント検査が得意なこと

Microsoft の記事が対象とする版の Word・Excel・PowerPoint で、[ファイル]→[情報]→[問題のチェック]→[ドキュメントの検査]から使えます。検査する項目を選び、結果ごとに[すべて削除]でまとめて消せます。コメント、変更履歴のマーク、ドキュメントのプロパティは Word の「見つけて削除できる項目」にすべて入っており、コメントとプロパティは Excel と PowerPoint でも同じです。PowerPoint のプレゼンテーション ノートとスライド外のコンテンツも対象です。Microsoft の記事は OpenDocument 形式のファイルも対象にしており、こちらは ScrubDrop では扱いません。

Microsoft の注意は、消す道具ならどれにも当てはまります。「ドキュメント検査で削除されたデータは必ずしも復元できるとは限らない」ので、元の文書のコピーで使うこと。削除した内容は[元に戻す]で戻せない場合があること。Excel では、データが入った非表示の行・列・ワークシートを削除すると「計算または数式の結果が変わることがあります」。Excel の共有ブックでは、コピーで共有を解除するまで、コメント・プロパティ・ヘッダーとフッターの検査は使えません。Mac はこの記事の範囲外で、別の Microsoft の記事にもとづく英語の記事 Document Inspector on Mac で扱っています。

項目ごとの対照

ドキュメント検査の欄:消す、検出のみ(見つけて示すがファイルに残す)、残す(検出も削除もしないと Microsoft が書いているもの)、資料に記載なし。ScrubDrop の欄:消す(無料版か Pro)、断る(選んだ除去をせず、先に何を変えればよいかを示す。その種類のチェックを外せば残りは整理できる。マクロ有効のファイルなどファイル全体の断りは除く)、示すだけ(一覧に出し、取り除かない)、残す、資料に記載なし。ScrubDrop は知っている種類をすべて無料で一覧に出します。「資料に記載なし」は、確かめたという意味ではありません。

Word

項目ドキュメント検査ScrubDrop
コメント消す消す(無料版)
変更履歴マーク消す。承諾か元に戻すかは資料に記載なし消す。無料版は承諾し、Pro は元に戻すことも作成者ごとに選ぶこともできる
文書のバージョン情報消す資料に記載なし
インク注釈消す消す(Pro)。インクの絵は残す
ドキュメントのプロパティと個人情報消す消す(無料版)。プロパティを表示していたフィールドは、表示していた文字を残す
ヘッダー、フッター、透かし消す残す。その中の隠し文字と画像のメタデータは消す(Pro)
隠し文字(フォント効果)消す消す(Pro)。隠れた内容を除くとき、スタイルで隠した文字は断る
他の方法で隠した文字(白地に白など)残す(「検出できません」)白い文字・ごく小さい文字を示すだけ
カスタム XML データ消す消す(Pro)。文書変数とコンテンツ コントロールの結び付けも
非表示に設定されたオブジェクト消す。他のオブジェクトに覆われたものは検出しない非表示の画像と図形を消す(Pro)。グループの中や、同じ描画で見えるものと並ぶものは断る

Excel

項目ドキュメント検査ScrubDrop
コメントと注釈消すメモとスレッド形式のコメントは消す(無料版)。インクは消す(Pro)
ドキュメントのプロパティと個人情報消す。プリンター パス、シナリオのコメント、アクティブでない外部データ接続もプロパティとシナリオのコメントは消す(無料版)。プリンターの設定はいつも消す。データ接続は別のファイルへのリンクと一緒に消す(Pro)
ヘッダーとフッター消す残す
非表示の行と列非表示の行、データが入った非表示の列、データの入った列の間にある空の非表示の列を消す。非表示の列の中の図形・グラフ・画像などは検出しない。テーブル ヘッダー、リスト ヘッダー、ピボットテーブルの一部は削除しない(英語版は再表示すると書き、日本語版は再表示しないと書いている)。数式の結果が変わることがあるセルの中身を空にする(Pro)。行と列は残す。残るシートの数式は最後の値にする。中身のある隠れたセルを空にするとき、残るシートのどれかに条件付き書式・入力規則・スパークライン・シナリオがあれば断る。隠れた行・列のあるシートにテーブルや、値・カスタム・日付グループで絞ったフィルターがあれば、隠れたセルが空でも断る
非表示のワークシート消す。数式の結果が変わることがある非表示のシート(VBA からしか戻せないものも)を消す(Pro)。残るシートの数式は最後の値にする
カスタム XML データ消す消す(Pro)。XML の対応付けと、テーブルからのその参照はいつも消す
非表示に設定されたオブジェクト消す。他のオブジェクトに覆われたものは検出しない非表示のオブジェクトを消す(Pro)。隠れた内容を除くとき、古い形式の描画の中の隠れたボタンや図形(コメント枠を除く)は断る
外部リンク検出のみ消す(Pro)。それを使っていた数式に限らず、残るシートのセルの数式はすべて最後の値にする
埋め込まれたファイルまたはオブジェクト検出のみ消す(Pro)。プレビューの絵も一緒に消えることがある(残る図形がその絵を使っていれば残る)
VBA コードのマクロ検出のみマクロ有効のファイルは断る
ピボットテーブル・ピボットグラフ・スライサー・タイムライン(キャッシュ データ)検出のみピボットテーブルとキャッシュを消す(Pro)。ピボットグラフ・スライサー・タイムライン・GETPIVOTDATA がそれに頼っていれば断る
キューブ式検出のみ資料に記載なし
Excel アンケート検出のみ資料に記載なし
Scenario Manager のシナリオ検出のみシナリオは残す。中身のある隠れたセルを空にするとき、残るシートのどれかにシナリオがあれば断る。隠れた内容を除くとき、隠れたセルの値を持つシナリオは、セルが空でも断る
フィルター検出のみ残す。隠れた内容を除くとき、隠れた行・列のあるシートに、値・カスタム・日付グループで絞ったフィルターがあれば、隠れたセルが空でも断る
非表示の名前検出のみ消す(Pro)。それを使っていた数式に限らず、残るシートのセルの数式はすべて最後の値にする

PowerPoint

項目ドキュメント検査ScrubDrop
コメントと注釈消すコメントと返信は消す(無料版)。インクは消す(Pro)
ドキュメントのプロパティと個人情報消す消す(無料版)
変更履歴データ(編集者と編集日時)消す。古い版では検出できないことがあるいつも消す
スライド上の非表示の内容消す。他のオブジェクトに覆われたものは検出しない非表示の図形を消す(Pro)。レイアウトのものも
スライド外のコンテンツ消す。アニメーション効果の付いたものは検出も削除もしないスライドの外のオブジェクトを消す(Pro)。レイアウトのものも。回転・反転(自身かグループの)を反映する前の範囲がすべてスライドの外にある図形、その範囲が一部はみ出す回転・反転のグループ、レイアウトとマスターのスライド外のプレースホルダーは断る
プレゼンテーション ノート文字は消す。ノートに追加された画像は残すノートを画像ごと消す(Pro)
カスタム XML データ消す消す(Pro)。タグとデザイナーのタグも
埋め込まれたファイルまたはオブジェクト検出のみ消す(Pro)。表示されていた絵は残す
マクロ・VBA検出のみマクロ有効のファイルは断る

Microsoft の一覧に無いもの

項目ドキュメント検査ScrubDrop
編集セッションの ID(Word の rsid、ブックのリビジョン ID、PowerPoint の作成 ID)資料に記載なし消す(Pro)
画像のメタデータ(カメラ、GPS、ソフトウェア)資料に記載なし消す(Pro)。欄ごとに整理できない画像は断る。整理しない形式の画像は示すだけ
Word と PowerPoint の別のファイルへのリンク(添付テンプレート、差し込み印刷のデータ、リンクした画像)資料に記載なし消す(Pro)
Word の埋め込みファイル資料に記載なし消す(Pro)
非表示のスライド資料に記載なし消す(Pro)
印刷範囲の外のセル資料に記載なし示すだけ

本当に違うところ

ドキュメント検査が検出だけするもの。Microsoft は、これらを削除しない理由を「ブックが正しく動作しなくなる可能性があるため」とし、手で削除するか「静的画像など」に置き換えるよう勧めています。ScrubDrop Pro は、他のブックへのリンク、埋め込みオブジェクト、ピボットテーブルとキャッシュ、非表示の名前を取り除きます。名前やリンクを除くと、それを使う数式に限らず残るシートのセルの数式はすべて最後の値になり、埋め込みオブジェクトは、プレビューの絵も一緒に消えることがあります(残る図形がその絵を使っていれば残ります)。値は残りますが、Excel で同じに見えるかはそこで確かめてください。推測しないとできないときは断ります。シナリオとフィルターは残し、マクロ有効のファイルは断ります。

どちらも代わりに決めないこと。ドキュメント検査は白地に白い文字や覆われたオブジェクトを検出できず、ScrubDrop は白い文字・ごく小さい文字を示すだけで取り除きません(判断は読む人のものです)。ScrubDrop は画像の中の文字を読みません。ドキュメント検査については資料に記載がありません。

ScrubDrop が断るもの、残りうるもの

ScrubDrop はマクロ有効・旧バイナリ・署名付き・暗号化されたファイルを断ります。除くと選んだ種類について、スタイルで隠した文字など確かでないところも断ります(扱わないもの)。公開前に、エンジンをすり抜けるよう作ったファイルで何回かに分けて見直しました。見つかったものは直すか断る側に回しましたが、最後の回も画像の中や古い形式の描画などで新しい例が見つかり、いちばん新しい直しは見直しを経ていません。場所と確かめ方は残りうるものにあります。

取り除いた後、ScrubDrop は書いたものを含めて 3 つの別々の読み取り器で新しいファイルを読み直し、通らなければファイルを出しません。ただしこの確認は Word・Excel・PowerPoint 自身ではないので、送るときに使うソフトで結果を開いてください。

組み合わせて使う

  1. ドキュメント検査を使うときは、Microsoft の勧めどおりコピーで作業します。消したものは戻らないことがあります。ScrubDrop は元のファイルには手を付けず、新しいファイルを出します。
  2. 片方の道具で整理します。消したいのがコメントとプロパティ(Word では変更履歴も)だけなら、どちらでも消せます。ScrubDrop の無料版は 1 度に 1 ファイルで、ブラウザーの中で動きます。
  3. 結果をもう片方の道具で開いて、もう一度見ます。Office にあればドキュメント検査、どこでも ScrubDrop は何も取り除かずに知っている種類をすべて一覧に出します。

よくある質問

コメント・変更履歴・プロパティだけならドキュメント検査で足りますか?

その 3 つについては、Microsoft の説明で Word の「見つけて削除できる項目」に入っており、コメントとプロパティは Excel と PowerPoint でも同じです。消したいのがそれだけで、お使いの Office にドキュメント検査があるなら、それで済みます。削除したデータは復元できないことがあると Microsoft が注意しているので、コピーに対して使います。Excel の共有ブックでは先に共有を解除します。

ドキュメント検査はヘッダーとフッターを消すのに、ScrubDrop はなぜ残すのですか?

読む人がどのページや印刷でも目にする、見えている内容だからです。ScrubDrop は残し、その中の隠し文字と画像のメタデータは取り除きます(ScrubDrop Pro)。ヘッダーとフッターを消したいときは、Word や Excel で消すか、ドキュメント検査を使います。

ドキュメント検査が検出しても削除しないものは何ですか?

Excel では、外部リンク、埋め込まれたファイルまたはオブジェクト、VBA コードのマクロ、キャッシュ データありの BI 機能(ピボットテーブルなど)、Excel アンケート、Scenario Manager のシナリオ、フィルター、非表示の名前です。PowerPoint では、埋め込まれたファイルまたはオブジェクトと、マクロです。ファイルが正しく動作しなくなる可能性があるためで、手で削除するか置き換えます。

両方使うべきですか?

お使いの Office にドキュメント検査があるなら、別の道具でもう一度見るのがいちばん直接の確かめ方です。片方で整理し、結果をもう片方と、送るときに使うソフトで開きます。何も見つからなくても何も無いとは言えませんが、違う道具は違うものを見落とします。

送る前に、ファイルが持っているものを項目ごとに見てください。無料版は 1 度に 1 ファイル。ScrubDrop が知っている種類をすべて一覧に出し、プロパティ・コメント・変更履歴は取り除きます。ファイルはブラウザーの中で読み、アップロードしません。ファイルを確認。