ChatGPT・Gemini・Claude・Copilot に Office ファイルを渡す前に:消しておく隠れた情報と、学習利用の設定
最終更新日:2026 年 10 月 19 日
要点:文章生成サービスに .docx・.xlsx・.pptx を渡すと、見えているページだけでなく、ファイルの中身がまるごと渡ります。コメント、変更履歴に残った消した文、作成者の名前、他のファイルへのリンクのパス、非表示のシート、発表者ノートなどです。学習に使うかどうかの設定は各社にありますが、設定で決まるのは学習に使うかどうかで、渡したファイルの中身ではありません。渡す前に写しを作り、相手に要らないものをファイルから取り除いてください。仕事のファイルなら、まず組織の決まりを確かめます。
このページでいう文章生成サービスは、ChatGPT、Gemini アプリ、Claude、Microsoft Copilot のように、ファイルを添付して要約や書き直しを頼めるサービスです。各社の設定と説明は 2026 年 10 月 19 日に各社のページで確かめたもので、変わることがあります。お使いになる前に、リンク先で今の説明を確かめてください。
ファイルを渡すと、何が渡るか
添付したファイルは、そのファイルのまま渡ります。サービスが読み取りに使う部分が見えているページだけだとしても、ファイルにはページの外のものも入っています。たとえば Microsoft は個人向けの Microsoft Copilot のプライバシーの FAQ(英語)の、古い版のアプリを対象とする説明で、学習に使うデータに、Copilot との会話とともに「アップロードした画像やファイル」が入ると書いています(下の設定で外せます)。2026 年 8 月 18 日からの新しい版のアプリでの扱いは、Microsoft の新しい版のページ(英語)からは分かりませんでした。サービスがファイルのどの部分を読むかを詳しく書いたページは、このページで扱った各社については見つけられませんでした。
渡す前に取り除くもの
| もの | 入っていること | 詳しい記事 |
|---|---|---|
| コメントと返信 | 書いた人の名前、社内のやり取り。解決済みのコメントも残る | 変更履歴とコメントの名前と日時 |
| 変更履歴 | 消した文や前の数字、変えた人と日時 | 変更履歴の承諾と却下 |
| 文書のプロパティ | 作成者・最終更新者・会社名・テンプレートの名前 | Word の作成者の名前 |
| 他のファイルへのリンクのパス | ユーザー名・サーバー・フォルダーの名前が入ったフルパス | Excel にフォルダーのパスが残る場所 |
| 非表示のシート・行・列、ピボットのキャッシュ | 送るつもりのない表や、元のデータ | Excel の個人情報を送る前に |
| 発表者ノート・非表示のスライド | 話す予定のメモ、使わなかったスライド | 発表者ノートとコメントを消す |
| カスタム XML・埋め込みオブジェクト | システムが書いた値、埋め込んだブックまるごと | Word のカスタム XML と埋め込みオブジェクト |
表に挙げたものはよくある例で、ファイルに入りうるものの全部ではありません。種類の全体はOffice の隠れたデータの種類にまとめています。
各社の学習利用の設定(2026 年 10 月 19 日に確認)
設定の名前は、各社の英語のページの表記です。日本語の画面では別の言葉で出ることがあります。
- ChatGPT(OpenAI):OpenAI の「Data controls in ChatGPT」(英語)によると、[Settings]→[Data controls]の「Improve the model for everyone」を切ると、新しい会話は OpenAI のモデルの学習に使われません。ただし、回答に高評価・低評価を付けるなどのフィードバックを送ると、その会話全体が学習に使われることがある、と同じページにあります。個人のプラン(Free・Plus・Pro)については、OpenAI の「How your data is used to improve model performance」(英語)が、内容を学習に使うことがあり、使わせないには設定を切る、と書いています。OpenAI の「Temporary chat in ChatGPT」(英語)によると、Temporary chat は一時的な会話のままである間は学習に使われず、最大 30 日保存されることがあります。通常の会話として保存すると、アカウントの学習利用の設定と保存の決まりに従います。ChatGPT Business・Enterprise・Edu と API は、初めから入力と出力を学習に使わないと別のページ(英語)に書かれています。
- Gemini アプリ(Google):Google の「Gemini Apps Privacy Hub」(英語)によると、「Keep Activity」が入っていると、会話と共有したファイルがアクティビティに保存され、モデルの学習を含むサービスの改善に使われます。切ると、その後の会話は学習に使われません(フィードバックを送った場合を除く)が、アカウントに 72 時間保存されます。会話の一部は人が読むことがあり、見られて困るものは入れないように、とも書いています。仕事や学校の Google Workspace のうち対象のエディションについては、Workspace のプライバシーのページ(英語)が、許可なく組織のドメインの外で、内容を人が確認したりモデルの学習に使ったりしないと書いています。お使いの契約が対象かどうかは、組織の管理者に確かめてください。
- Claude(Anthropic):Anthropic の個人のプラン向けのページ(英語)によると、Free・Pro・Max では、プライバシーの設定の「Model Improvement」で学習に使うことを認めた場合に、会話がモデルの改善に使われます。この設定とは別に、利用規約に沿っているかの確認の対象になった会話や、テストへの参加などで別に学習への利用を認めた場合も、使われることがあります。Incognito chat は、この設定が入っていても使われません。Claude for Work や API などの仕事向けの製品は、初めから入力と出力を学習に使わないと別のページ(英語)にあります。
- Microsoft Copilot(Microsoft):Microsoft の「Microsoft Copilot privacy controls」(英語)によると、個人の Microsoft アカウントでは、[Privacy]の「Training on conversation activity」と「Training on voice conversations」を切ると、その後の会話は学習に使われません。ほかの製品の改善や、広告・利用者の保護・セキュリティ・法令の対応に使うことは、この設定では外れないとも書いています。このページは古い版のアプリについてのもので、2026 年 8 月 18 日から新しい版が出ているとあるので、お使いの版の設定を確かめてください。仕事や学校のアカウント(Entra ID)で使う Microsoft 365 Copilot は、このページの対象ではありません。
どのサービスでも、学習への利用を止める設定と、会話やファイルを受け取って保存することは別のことです。設定には上のような例外もあり、保存の期間や人が読むことがあるかも各社で違います。今の説明と例外を、各社のページで確かめてください。
渡す前の手順
- 仕事のファイルなら、組織の決まりを確かめます。使ってよいサービスやプラン、渡してよい情報の種類が決まっていることがあります。
- ファイルが要るかを考えます。要約や書き直しに要るのが本文の一部だけなら、その文を写して貼るほうが、ファイルのページの外のものは渡りません(貼った文に含まれるものは渡ります)。
- ファイルを渡すなら、送るための写しを作り、上の表のものを写しから取り除きます。Windows の Office ではドキュメント検査([ファイル]→[情報]→[問題のチェック]→[ドキュメント検査])が多くを扱います。
- 表計算のファイルは、渡す範囲だけを値として新しいブックに写します。非表示のシートや行は、隠しても残ります。
- 写しを開き、見えている内容を読みます。名前・顧客の情報・数字が、渡してよいものかどうかは、どの道具も決めません。
- サービスの学習利用の設定と、一時的な会話の機能を確かめてから渡します。
ScrubDrop がすること
ScrubDrop は .docx・.xlsx・.pptx をブラウザーの中で読み、ファイルはどこにもアップロードしません。渡す前の片付けのために、別のサービスにファイルを送ることにはなりません。見つけたコメント・変更履歴・プロパティ・他のファイルへのリンク・非表示のシートや行や列・ピボットのキャッシュ・発表者ノート・カスタム XML・埋め込みオブジェクト・画像のメタデータなどを、無料で一覧にします。無料版は 1 回に 1 ファイルで、プロパティとコメントを取り除き、変更履歴は承諾して取り除きます。それ以外の種類を取り除くのと、複数のファイルをまとめて処理するのは ScrubDrop Pro です。白い文字や小さな文字、印刷範囲の外のセルは、取り除かずに一覧にして、ご自身で確かめていただきます。結果は書いたものとは別のソフトでもう一度読み直し、通らなかったファイルは出しません。ページに書かれた内容を渡してよいかどうかは、ScrubDrop は判断しません。
よくある質問
学習に使わない設定にすれば、ファイルを整えなくてよいですか?
学習に使うかどうかと、ファイルを渡すかどうかは別のことです。学習に使わない設定でも、会話やファイルは一定の期間サービスに保存されることがあると各社は書いています。渡す相手に要らないものは、渡す前にファイルから取り除いてください。
サービスはコメントや非表示のシートまで読みますか?
ファイルのどの部分を読むかを詳しく書いたページは、このページで扱った各社については見つけられませんでした。読むかどうかにかかわらず、渡したファイルにはコメントや非表示のシートも入っています。要らないものは先に取り除いてください。
仕事のファイルを個人のアカウントで渡してもよいですか?
それを決めるのは、あなたの組織の決まりです。各社とも、仕事用のプランと個人のプランで学習利用の扱いを分けています。まず組織の決まりと、使ってよいサービスやプランを確かめてください。
出典:このページからリンクした OpenAI・Google・Anthropic・Microsoft のページは 2026 年 10 月 19 日に確認しました。
渡す前に、ファイルの中を見てください。ブラウザーの中で動き、アップロードしません。無料版は 1 回に 1 ファイルで、見つけた隠れたデータを対応する種類について一覧にし、プロパティ・コメントを取り除き、変更履歴は承諾して取り除きます。ファイルを確認