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翻訳会社・翻訳者に原稿を送る前に:Word・Excel・PowerPoint で翻訳者に要るものと、先に消すもの

最終更新日:2026 年 10 月 27 日

要点:翻訳者や翻訳支援ツールは、ファイルに入っているものを読むことがあります。原稿のファイルには、訳してほしい文のほかに、変更履歴の前の版の文、社内のコメント、隠し文字、非表示のスライドやシート、発表者ノート、書いた人の名前が入っていることがよくあります。変更履歴はすべて承諾するか拒否して確定させ、コメントは翻訳者に向けたものだけを残し、隠れた内容は訳すか消すかを決めて残りを削除し、プロパティを片づけます。作業は写しで行い、訳文が戻ってきたら同じように確かめます。

この記事は、契約書、マニュアル、製品の資料、価格表、スライドなどの原稿を、翻訳会社やフリーランスの翻訳者に送る人のためのものです。扱うのは、訳してほしい文のほかに Word・Excel・PowerPoint のファイルが運ぶものと、何を残すかの決め方です。翻訳会社の秘密保持の条件や、翻訳支援ツールがファイルをどう読むかは含めません。翻訳会社に尋ねてください。下の例は典型的な場合で、実際の事例を伝えるものではありません。

原稿のファイルに入っているものと、翻訳者に要るか

原稿のファイルが、訳してほしい文のほかに持つものと、その扱い
ものある場所翻訳者にとって
前の版の文変更履歴:削除した文字、移動した文字、書式の変更要りません。要るのは決まった一つの本文です。前の版の文には、前の取引先、価格、削った条項が入っていることがあります
社内のやりとりWord と PowerPoint のコメント、Excel のコメントとメモ。どれも解決済みのものを含みます翻訳者に向けて書いたものだけ。残りは消します
ページに見えない文字Word の隠し文字、非表示のスライド、非表示のシート・行・列あなたが決めること:訳すか、消すか。隠したまま渡すと、翻訳者が推測することになります
発表する人へのメモ各スライドの下の発表者ノート訳した言語でもノートを使うなら要ります。使わないなら消します
書いた人作成者と最終更新者、コメントと変更履歴に付く名前要りません
社内の呼び名カスタム プロパティ、タイトル・件名・キーワード・コメントのプロパティ要りません。案件番号、状態、別の取引先の名前が入っていることがあります

変更履歴に残る前の版の文

翻訳者には、どれが本文なのかが分かる必要があります。変更履歴が残ったファイルは、削除した文とそれに替わった文の、二つの版を同時に持っています。Microsoft のページ「Wordで追跡された変更を承諾または拒否する」は、「ドキュメントを共有する前に、追跡された変更を受け入れるか拒否して、マークアップを削除します。」と書き、「[マークアップなし] ビューを選択すると、変更が一時的に非表示になります。 次にドキュメントを開くと、再び表示されます。」と書いています。前の取引先の名前、古い価格、法務が削った条項は、削除した文の中でまだ読めます。翻訳者にも、翻訳者がチェックを頼む人にもです。

以前に訳した文書の改訂で、変わったところだけを訳してほしいとき、自分の変更履歴を目印として送りたくなるかもしれません。けれども変更履歴には、同僚が出して採らなかった案も、その人の名前と一緒に入っています。送る写しでは変更をすべて承諾するか拒否し、どの節が変わったかは依頼書に書くか、改訂の受け取り方を翻訳会社に尋ねてください。

コメント:翻訳者に向けたものと、それ以外

翻訳者の役に立つコメントもあります。「製品名は英語のまま」「この用語は第 2 条で定義」のようなものです。作業中のファイルのコメントのほとんどはそうではありません。上司の質問、相手方についての一言、数字を確かめるようにという覚え書きです。コメントを解決済みにしても、ファイルからはなくなりません。Microsoft のページ「Wordでのモダン コメントの使用」は、コンテキスト ビューでは「解決されたコメントは非表示になる」一方、リスト ビューには「アクティブなコメントと解決されたすべてのコメントが含まれます」と書いています。リスト ビューを開き、翻訳者に要らないコメントをすべて消し、指示はいくつかのコメントとして残すか、できれば依頼書に書いてファイルと一緒に送ります。ブックのコメントとメモにも書いた人の名前が付きます。詳しくはExcel のコメントとメモに残る作成者名の記事にあります。

隠し文字、非表示のスライドとシート、発表者ノート

翻訳者には、隠れているものを訳してよいのかどうかが分かりません。どの種類も、送る前に決めておく必要があります。

ヘッダー、フッター、透かしは隠れてはいませんが、忘れやすいものです。「社内確認用の案」と書いたフッターや、取引先の名前の透かしも、ほかの文と一緒に訳されます。写しで読んでください。

プロパティの名前と呼び名

Microsoft のページ「ドキュメント、プレゼンテーション、またはブックの作成者名を変更する」は、Word は新しいドキュメントを作るたびに[ユーザー名]の設定から Author プロパティを入れ、PowerPoint と Excel も同様だと書き、「また、[ユーザー名] 設定には、コメントと変更履歴に表示される名前と頭文字が指定されます。」と書いています。ドキュメント検査のページは、ドキュメントのプロパティに「最後にドキュメントを保存したユーザーの名前」のような自動で管理される情報も含まれると書いています。翻訳者にはどちらの名前も要りません。写しの作成者は変えるか消し([ファイル]→[情報]で作成者名を右クリックし、[プロパティの編集])、最終更新者は保存するたびに自分の[ユーザー名]で書き直されるので、ドキュメント検査の[ドキュメントのプロパティと個人情報]で取り除くか、自分の名前が入ることを受け入れます。Microsoft のページ「Office ファイルのプロパティを表示または変更する」は、「カスタム プロパティは、Microsoft 365 ドキュメントに対して定義するプロパティです。」と書いています。別の案件の文書から作ったファイルでは、その案件の番号や取引先が入ったままのことがあります。写しではカスタム プロパティを消します。一つひとつはWord のプロパティに残る会社名とテンプレートの記事にあります。

訳文が戻ってきたら

訳したファイルは、別の人のコンピューターを通ってきます。同じ仕組みで、最終更新者や、コメントと変更履歴に翻訳者やチェックした人の名前が入り、コメントに質問が入り、あなたが残した隠れた内容は訳されて戻ってくることがあります。公開する前や取引先に回す前に、原稿と同じように見ます。変更をすべて承諾するか拒否し、質問に答えて消し、プロパティを読み、隠れた内容をもう一度確かめます。

翻訳者に送る前の手順

  1. 写しを作ります。作業用のファイルは手元に残し、翻訳に出す写しを作ります。
  2. Word。変更履歴をすべて承諾するか拒否し、[変更履歴の記録]をオフにします。コメントの一覧を開き、翻訳者に要らないコメントをすべて消します。
  3. 隠れた内容。Word では隠し文字を表示し、訳す文として見えるようにするか削除します。PowerPoint では非表示のスライドを一枚ずつ再表示して決め、訳さないならノートを消します。Excel ではシート・行・列を再表示し、訳さないものは削除するか別のファイルに移します。コードで隠したシートは[再表示]に出ないので、下のとおり xl/workbook.xml で確かめます。
  4. ヘッダー・フッター・透かしを読みます。
  5. プロパティ。Windows なら[ファイル]→[情報]→[プロパティ]→[詳細プロパティ](Mac なら[ファイル]→[プロパティ]。隠しデータの種類と確認方法の記事も)で、この写しに合わないタイトル・件名・キーワード・コメントを消し、カスタム プロパティを削除します。
  6. ドキュメント検査。Windows なら、ドキュメント検査([ファイル]→[情報]→[問題のチェック]→[ドキュメントの検査])で、これらのいくつかを一度に見つけて削除できます。[検査]の前に、残すと決めたもの(翻訳者向けのコメント、訳すノート)の種類のチェックを外すか、検査のあとでその種類の[すべて削除]を選ばずにおきます。Microsoft は、ドキュメント検査で削除したデータは元に戻せないことがあるので、元のファイルのコピーで使うよう強く勧めています。Mac での確かめ方は隠しデータの種類と確認方法の記事にあります。
  7. 依頼書を書きます。訳す範囲、コメントから移した指示、そのまま残す用語を書きます。

写しを自分で確かめる

  1. 写しを開き、[ファイル]→[情報]で作成者と最終更新者を見て、[すべてのプロパティを表示]と、[詳細プロパティ]の[カスタム]タブを見ます。
  2. もっと詳しく見るなら、もう一つ写しを作り、拡張子を .zip にして展開します。
    • docProps/core.xml に作成者と最後に保存した人が、docProps/app.xml に会社と管理者が、docProps/custom.xml にカスタム プロパティがあります。
    • Word のファイルでは、すべての word/*.xml の部品で、変更履歴の印の <w:ins 、<w:del 、w:moveFrom、w:moveTo、名前が PrChange で終わる要素、w:tblGridChange、w:cellIns、w:cellDel、w:cellMerge を検索します。word/comments.xml に <w:comment 要素があればコメントが残っていて、word/people.xml にはコメントを書いた人や変更した人が並ぶことがあります。隠し文字の印の w:vanish も検索します(w:val が 0、false、off のものは隠していません)。
    • プレゼンテーションでは、ppt/slides のファイルの p:sld 要素に付いた show="0" か show="false" が非表示のスライドの印です。ppt/notesSlides のフォルダーがあればノートのページが残っていて(文字が入っているかは開いて見ます)、ppt/comments のフォルダーにコメントがあります。
    • ブックでは、xl/workbook.xml にすべてのシートが並び、非表示のシートには state="hidden" か state="veryHidden" が付きます。名前が xl/comments か xl/threadedComments で始まる部品にメモとコメントが、xl/persons/person.xml にスレッド形式のコメントを書いた人の名前があります。xl/worksheets/sheet1.xml などのシートでは、<row や <col に付いた hidden="1" が非表示の行や列の印です。
  3. 作業用のファイルにあって写しには入れたくない名前、価格、言い回しを、すべての部品で検索します。

ScrubDrop がすること

ScrubDrop は .docx・.xlsx・.pptx をブラウザーの中で読み、ファイルはアップロードしません。見つけたものを一覧にします。カスタム プロパティを含むプロパティ、書いた人の名前が付いたコメントとメモ、変更した人の名前が付いた変更履歴、隠し文字、非表示のスライド・シート・行・列、発表者ノート(ScrubDrop の表記は「スピーカーノート」)と、そのほかの扱う種類です。無料版は 1 回に 1 ファイルで、プロパティとコメントを取り除き、変更履歴は承諾して取り除きます。コメントは全部取り除くか全部残すかです。翻訳者への指示のコメントがいくつかあるなら、「コメント」のチェックを外して要らないものを Office で消すか、指示を依頼書に移してください。ScrubDrop Pro では、変更履歴をすべて拒否すること(画面の表記は「元に戻す」)や、作成者ごとに承諾するか拒否するかを選ぶことができます。

ScrubDrop Pro では、隠し文字、非表示のスライド・シート・行・列、スピーカーノート、他のファイルへのリンクのような目立たない種類も取り除き、複数のファイルをまとめて掃除して ZIP で返します。同じ翻訳会社に何本も送るときに向きます。ノートはノートのページごと取り除きます。隠し文字の書式を直接付けたのではなく、スタイルや文書の既定で文字を隠している文書は、隠し文字を取り除くことを選んだとき、どの文字がそれに当たるかをまだ正確に判断できないので、その旨を示して断ります。先に Word でスタイルの隠し文字の書式を外すか、「隠れたシート・行・列・スライド・図形・文字」のチェックを外してください。非表示のシート・行・列、定義された名前、他のファイルへのリンクを取り除くと、残るシートのすべての数式が最後に計算した値に置き換わります。数字の見た目は同じですが、もう計算はしません。白い文字や極端に小さい文字、印刷範囲の外のセルは、どちらの版でも一覧にするだけで取り除きません。何を訳すかは ScrubDrop には決められません。訳してほしいスライドや段落を再表示するのは、あなたが Office で行う手順です。掃除したファイルは、書き出しに使ったものとは別の読み取りのソフトウェアで読み直し、確認を通らないファイルは渡しません。

よくある質問

翻訳者に変更履歴を見せたほうがよいですか?

たいていは要りません。翻訳者に要るのは決まった一つの本文で、削除した文には前の名前、価格、条項が入っていることがあります。Microsoft のページは、[マークアップなし]では変更が一時的に見えなくなるだけだと書いています。写しで変更を承諾するか拒否し、どの節が変わったかは依頼書に書いてください。

非表示のスライドや隠し文字は、翻訳者に見えますか?

ファイルに入っているので、翻訳者や翻訳支援ツールが見つけることがあり、それを訳してほしいのかどうかは翻訳者には分かりません。一つずつ再表示し、見えるようにして訳してもらうか、写しから削除してください。

訳したファイルも確かめる必要がありますか?

あります。最終更新者や、コメントと変更履歴に翻訳者やチェックした人の名前が入り、コメントに質問が入って戻ってくることがあります。公開する前や回す前に、原稿と同じように掃除してください。

出典:このページからリンクした Microsoft のページは 2026 年 10 月 27 日に確認しました。ScrubDrop は Microsoft と提携していません。

原稿を翻訳者に送る前に確かめてください。ブラウザーの中で動き、アップロードしません。無料版は 1 回に 1 ファイルで、ScrubDrop が扱う種類のうち見つけたものはすべて一覧にし、プロパティ・コメントを取り除き、変更履歴は承諾して取り除きます。ファイルを確認