差し込み印刷の Word を一人に送る前に:名簿の場所、差し込みフィールド、ほかの人の案内状
最終更新日:2026 年 10 月 28 日
要点:差し込み印刷には 3 つのファイルがかかわり、相手に渡してよいのはそのうちの一つだけです。メイン文書は名簿への接続を覚えています。名簿がどこにあるか(ユーザーのフォルダーやファイル共有を示すパスのことがよくあります)と、Word がそれをどう読むかです。差し込みフィールドは名簿の列の名前を示します。[個々のドキュメントの編集]で作った文書には、結合した全員分の案内状が入ります。相手に送るのは、その人だけのために結合した一通か、その PDF にします。メイン文書も、全員分の文書も送りません。
この記事は、Word の差し込み印刷で案内状・通知・請求書・修了証・宛名ラベルを作り、そのうちの一通をファイルで送ることがある人のためのものです。「控えをファイルで欲しい」と言われたとき、同僚に渡すとき、メールに添付するときです。名簿は Excel で管理していることが多いでしょう。町内会や同窓会の会員名簿、顧客名簿、社員名簿などです(自治会・PTA・NPO の資料と議事録は自治会・PTA・NPO の資料の記事にあります)。Windows と Mac の Word を扱います。下の例は典型的な場合で、実際の事例を伝えるものではありません。採用の通知書を差し込み印刷で作る場面は、人事・採用の記事にも短くあります。
3 つのファイルと、相手に渡す一つ
Microsoft のページ「メール、手紙、ラベル、封筒を一括にして差し込み印刷を使用する」は、しくみを「文書には、リスト、スプレッドシート、データベースなどのデータソースが関連付けられます。 差し込みフィールドと呼ばれるプレースホルダーは、データソースからの情報を含める文書内の位置を Word に指定します。」と説明しています。実際には、次の 3 つのファイルになります。
| ファイル | 内容 | 案内状のほかに入っていることがあるもの |
|---|---|---|
| データ ソース | 名簿。Excel のシート、Outlook の連絡先、Access などのデータベース、テキスト ファイル、Word で入力したリスト | 全員分の行と、案内状に使っていない列を含むすべての列 |
| メイン文書 | 差し込みフィールドを入れた案内状のひな形 | 名簿の場所と、Word がそれを読む方法。列の名前。ルールのすべての場合の文。ふつうのプロパティ |
| 結合した文書 | [完了と差し込み]で作った案内状や宛名ラベル | 結合したレコードの数だけの案内状。[変更履歴の記録]がオンのまま案内状を削除したなら、削除した変更履歴として残るほかの人の案内状 |
名簿そのものは案内状と一緒に送りません。間違えて送られやすいのは、ほかの 2 つです。この記事が扱うのは、一人に一通を送る場面です。
メイン文書が覚えているもの
差し込み印刷の文書を保存すると、名簿への接続も保存されます。Microsoft のページ「差し込み印刷を使って手紙を個人用にカスタマイズする」は、「差し込み印刷文書を保存すると、後で使用できるようにメーリング リストに接続された状態が維持されます。」と書いています。「Excel スプレッドシートを使った差し込み印刷」のページも「差し込み印刷文書を保存しても、データ ソースには接続されたままです。」、メールの差し込みのページ「Wordで差し込み印刷を使用して一括メール メッセージを送信する」も「メイン文書を保存する場合は、データ ソースへの接続も保存します。」と書いています。
案内状のページは、保存した差し込み印刷文書を再利用するために開いたとき、接続を維持するように求めるメッセージが表示されることがあると書いています。Windows の Word では、メイン文書を開くと、たいていその接続が確認のメッセージで示されます。Microsoft のページ「データ ソースにリンクされている Word 差し込み印刷のメイン文書を開くと、「これを開くと次の SQL コマンドが実行されます」というメッセージが表示される」(Word 2010 と 2013 向けのページです。このメッセージは仕様によるもので、Office XP Service Pack 3 で加わり、それ以降の版にもあると書いています)は、そのメッセージとして、「このドキュメントを開くと、次の SQL コマンドが実行されます。」、続くクエリ、「データベースのデータはドキュメントに配置されます。」を示しています。送った相手がこのメッセージを見たなら、相手が持っているのは案内状ではなくメイン文書です。
ファイルの中では、接続は文書の設定にあります(Office Open XML の規格 ECMA-376 Part 1 の §17.14、差し込み印刷の設定)。.docx では、word/ の <w:mailMerge> 要素に接続文字列(w:connectString)と、それを読むクエリ(w:query、たとえば SELECT * FROM `Sheet1$`)があり、Excel の名簿なら接続文字列にブックのフルパスが入っていることがあります。word/_rels/ には名簿の場所があります。Microsoft のページ「差し込み印刷に使用できるデータ ソース」は、データ ソースのファイルはローカル コンピューターかファイル共有に保存するように書いています(HTTP の場所はサポートされません)。そのため名簿のパスは、たいていそのどちらかを示します。ユーザーのフォルダーに置いた名簿なら、C:\Users\ のようなパスになります。ユーザー名、フォルダーの構成、名簿の名前が 1 行に並びます。相手がそのパスを開けるかは名簿の置き場所しだいですが、パスに書いてあることは、どちらでも読めます。
名簿の行そのものはデータ ソースにあり、メイン文書が持つのは名簿の場所と読み方です。差し込み印刷の設定は、どのレコードを含めるかを記録する宛先のデータの部品(ECMA-376 の同じ節の recipientData)を指すこともあります。word/ として、または settings.xml.rels から探してください。保存したメイン文書の差し込みフィールドに何が表示されているかも、だれの情報も入っていないと考える前に見てください。
差し込みフィールドが示すもの
Microsoft のページ「差し込み印刷フィールドを挿入する」は、「差し込みフィールドは、データ ソースの列見出しから取得されます。」と書いています。「会費未納額」「生年月日」「備考」のような名前のフィールドは、値がなくても、名簿が人について何を持っているかを読む人に伝えます。ルールも同じです。同じページは、"期限" フィールドの値が過去の日付の顧客への請求書に "期限超過" という言葉を含める例を挙げています。メイン文書では、ルール(IF フィールド)はすべての場合の文をフィールド コードに持っているので、一つの文だけが見えている案内状が、ほかの人向けに書いた文も運ぶことがあります。
Microsoft のページ「Wordにフィールドを挿入、編集、表示する」は、「フィールド コードは文書を読んでいるすべてのユーザーが表示できるため、フィールド コードに配置する情報には、秘密にしたい情報が含まれていないことを確認してください。」と書いています。Windows では Alt+F9、Mac では Option+F9 で、すべてのフィールド コードとその結果の表示を切り替えられます(Microsoft の「Word のキーボード ショートカット」)。フィールドのあるファイルを渡す前に、コードを読んでください。
結合した文書:一通か、全員分か
案内状のページは、Word の[完了と差し込み](ページの表記は "Finish & Merge")について「[個々のドキュメントの編集]、[ドキュメントの印刷]、または [Emailメッセージの送信] を選択します。」と書き、[個々のドキュメントの編集]は印刷の前に各レターを個別に確認して更新するためのものだと説明しています。概要のページは、差し込み印刷が終わると「データソース内の名前 1 つにつき 1 部ずつ」文書が作られると書いています。全員のレコードで結合すれば、結果には全員分の案内状が入ります。それを保存して、控えが欲しいと言った一人に添付すれば、その人に全員分を送ることになります。そのファイルからほかの案内状を消すのは、間違えやすい作業です。[変更履歴の記録]がオンなら、消した案内状は削除の変更履歴としてファイルに残ります(変更履歴の承諾と却下の記事)。長い結合を 1 ページずつ確かめるのも大変です。宛名ラベルの結合結果も、シートに全員の名前と住所が並びます。
その人だけのために結合した一通なら、どちらも起きません。Microsoft のページ「差し込み印刷: 受信者を編集する」は、受信者の一覧について「各行は既定で選択されています。 送信しない名前をクリアします。」と書いています。[アドレス帳の編集]で一人だけを残してから[個々のドキュメントの編集]を選ぶと、その人の一通だけの文書ができます。メールの差し込みでは、メールのページが[レコードの送信]で[現在のレコード]や範囲を選べることを書き、「Wordは、各メール アドレスに個別のメッセージを送信します。」とも書いています。
案内状をふつうの文書にする
送ろうとしている一通が、まだ差し込み印刷の文書か、フィールドを持っているかを確かめてください。メイン文書を別の名前で保存したものはまだ差し込み印刷の文書で、メイン文書の上で手で仕上げた案内状もそうです。.docx のまま送る前に、次のどれかをします。
- 接続を外す。Microsoft のページ「Word で差し込み印刷のメイン文書を通常の Word 文書に復元する方法」は対象の版を挙げていません(手順は[ツール]メニューと差し込み印刷ツール バーを使う古い Word のものです)。Word 2007 では、[差し込み文書]タブの[差し込み印刷の開始]で[標準の Word 文書]を選ぶと書いています。名簿が見つからないときは、現行の Word 向けの Microsoft のページ「切断されたデータ ソースから差し込み印刷ドキュメントを復元する」が、Word が示すダイアログで[オプション]から[データ/ヘッダー ファイルの削除]を選ぶ方法を挙げています。そのページによれば、結果の文書には定型の内容と差し込みフィールドが入り、データは入らないこともあります。
- フィールドのリンクを解除する。フィールドが表示している文字をふつうの文字にします。文字を選んで、Windows では Ctrl+Shift+F9、Mac では Command+Shift+F9 を押します(キーボード ショートカットのページの「フィールドのリンクを解除する」)。そのあとフィールド コードの表示に切り替えて、フィールドが残っていないことを確かめます。
- または PDF で送る。相手が読むだけなら、その一通を PDF にします。PDF にもプロパティがあります。PDF に書き出すときのメタデータの記事を見てください。
そのうえで、ほかのファイルと同じ場所を見ます。プロパティの作成者と会社名(Word のプロパティに残る会社名とテンプレートの記事)、コメント、変更履歴、添付したテンプレートです。
Microsoft のドキュメント検査のページは、Word で見つけて削除できるものに差し込み印刷の設定を挙げていません。名簿の場所はドキュメント検査に任せず、下のとおりファイルを確かめてください。
差し込み印刷の一通を送る前に
- 名簿のファイル、メイン文書、全員分の文書は添付しません。
- その人だけの一通を作ります。[アドレス帳の編集]でほかの名前のチェックをすべて外し、[完了と差し込み]の[個々のドキュメントの編集]を選び、その一通を別の名前で保存します。
- ページ数と最後のページを見ます。一通分のはずです。
- フィールド コードを表示します(Alt+F9 か Option+F9)。残っているフィールドはリンクを解除します。ルールがあるなら、解除する前にその文を読みます。
- まだ差し込み印刷の文書なら標準の Word 文書に戻すか、PDF で送ります。
- ほかのファイルと同じく、プロパティ、コメント、変更履歴を確かめます。
ファイルを自分で確かめる方法
- Windows の Word で開きます。SQL コマンドを実行するかを尋ねられたら、そのファイルはまだ差し込み印刷のメイン文書です。[いいえ]を選び、上の手順に戻ります。
- 写しを作り、拡張子を .zip に変えて展開します。
word/を開き、settings.xml mailMerge、connectString、query、dataSourceを探します。word/_rels/を開いて、パスやファイル名になっているsettings.xml.rels Targetを探し、word/の部品があるかも見ます。recipientData.xml word/とヘッダー・フッターの部品で、フィールド コード(document.xml w:instrTextとw:fldSimple)の中のMERGEFIELDとIFを探します。- 展開したフォルダー全体で、ほかの宛先の名前と、名簿の名前を検索します。
ScrubDrop がすること
ScrubDrop は .docx をブラウザーの中で読み、ファイルはアップロードしません。差し込み印刷のデータ ソースは「他のファイルへのリンク」として一覧にします(ファイルがリンクとして記録していれば、その場所も)。ScrubDrop が扱うほかの種類も一緒に示します。無料版は 1 回に 1 ファイルで、プロパティとコメントを取り除き、変更履歴は承諾して取り除きます。差し込み印刷の設定(接続文字列、クエリ、データ ソースの場所)は残ります。ScrubDrop Pro では他のファイルへのリンクも取り除き、それと一緒に差し込み印刷の設定(接続文字列、クエリ、データ ソースの場所)も取り除きます。
ScrubDrop は、差し込みフィールド、ルールが持つ文、結合した文書の案内状を変えません。見えている内容の一部で、どの案内状がだれのものかはあなたにしかわからないからです。フィールドのリンクの解除と一人分の結合は、先に Word でしてください。掃除したファイルは、書き出しに使ったものとは別の読み取りのソフトウェアで読み直し、確認を通らないファイルは渡しません。マクロ付きのファイル(.docm)は扱いません。案内状を .docx で保存してから確かめてください。
よくある質問
差し込み印刷の案内状には、名簿の全員分が入っていますか?
名簿の行はデータ ソースにあり、メイン文書が持つのは名簿の場所と、Word がそれを読む方法です。ただし、[個々のドキュメントの編集]で作った文書には結合した全員分の案内状が入り、差し込みフィールドは名簿の列の名前を示します。その人だけのために結合し、フィールドのリンクを解除した一通か、その PDF を送ってください。
送った案内状を開いた相手に、SQL コマンドを実行するかを尋ねるメッセージが出たのはなぜですか?
そのファイルがまだ差し込み印刷のメイン文書で、名簿に接続されているからです。Microsoft のページは、このメッセージは仕様によるもので、[いいえ]を選ぶとデータ ソースが接続されていない状態で開くと書いています。送る前に、案内状を標準の Word 文書に戻すか、その人だけの一通を結合して作ってください。
ドキュメント検査で、差し込み印刷のデータ ソースは取り除けますか?
Microsoft のドキュメント検査のページは、Word で見つけて削除できるものに差し込み印刷の設定を挙げていません。この記事のとおり写しの word/settings.xml を確かめるか、Word で接続を外してください。
出典:このページからリンクした Microsoft のページは 2026 年 10 月 28 日に確認しました。ScrubDrop は Microsoft と提携していません。
案内状を送る前に確かめてください。ブラウザーの中で動き、アップロードしません。無料版は 1 回に 1 ファイルで、ScrubDrop が扱う種類のうち見つけたものはすべて一覧にし、プロパティ・コメントを取り除き、変更履歴は承諾して取り除きます。ファイルを確認