「保存時に個人情報を削除」が効かないもの:Word と Excel で残るデータと確かめ方
最終更新日:2026 年 10 月 19 日
要点:Word・Excel・PowerPoint の「ファイルを保存するときにファイルのプロパティから個人情報を削除する」は、Microsoft の説明では、保存のたびにファイルのプロパティから個人情報を取り除く設定です。他のブックへのリンクのパス、カスタム XML、埋め込んだファイル、非表示のシートや行、本文に書いた名前は、この設定の対象として書かれていません。ドキュメント検査では別の項目で、検査でも削除できないものがあります。設定を入れていても、保存した写しの中身で確かめます。
Word の変更履歴とコメントの名前と日時がこの設定でどうなるかは、Word の変更履歴とコメントに残る名前と日時の記事に詳しく書いています。この記事は、Word と Excel で、この設定の外に残るものに絞っています。
設定の場所と、Microsoft の説明
Microsoft のページ「Microsoft Office で自分のプライバシー オプションを表示する」によれば、設定は[ファイル]→[オプション]からセキュリティ センターの設定を開いた[プライバシー オプション]の「ドキュメント固有の設定」にあります。同じページは働きを「このオプションを指定すると、ファイルを保存するときに、ファイルのプロパティから個人情報が自動的に削除されます。」と書き、既定は「Excel、PowerPoint、Word ではオフ」としています。
同じページには、この設定を使える文書についての条件も書かれていて、文書によっては選べないことがあります。選べないときは、ドキュメント検査で個人情報をその都度削除できると同じページにあります。
Word と Excel で取り除かれるもの
- Word:Document.RemovePersonalInformation のページ(機械翻訳)によれば、この設定のとき Word は保存時に、コメント・変更履歴・プロパティのダイアログからユーザー情報を取り除きます。変更とコメントそのものは残り、変更履歴の日時を取り除くのは別の設定です。
- Excel:Workbook.RemovePersonalInformation のページ(機械翻訳)は、「指定したブックから個人情報を削除できる場合は true」と書くだけで、何を取り除くかは書いていません。メモやコメントの書き手の名前が消えるかどうかを書いた Microsoft のページも見つけられなかったので、Excel では下の手順で確かめてください。
Excel の共有ブック(古い[ブックの共有]の機能)には注意が要ります。Microsoft のドキュメント検査のページは、ブックが共有ブックとして保存されている場合は「コメント、注釈、ドキュメントのプロパティ、および個人情報を削除できません」と書き、まず共有ブックをコピーして機能をオフにするよう勧めています。
この設定の対象に書かれていないもの
次のものは、上の Microsoft の説明のどれにも、この設定で取り除くものとして挙がっていません。ドキュメント検査のページでは、それぞれ別の項目です。
- 他のブックへのリンク(外部リンク):リンク先のブックのパスが残り、そこにユーザー名や共有フォルダーの名前が入ることがあります。ドキュメント検査のページは、Excel の外部リンクを「ドキュメント検査で見つけて削除できない情報」に挙げています。リンクの外し方はExcel にフォルダーのパスが残る場所の記事にまとめています。
- カスタム XML:文書管理の仕組みやアドインが文書に入れたデータです。ドキュメント検査では「カスタム XML データ」という別の項目で、Word と Excel のどちらでも検査で削除できます。
- 埋め込んだファイルとオブジェクト:ドキュメント検査のページは、ブックには「埋め込みファイル (Microsoft 365 やテキスト ドキュメントなど) や埋め込みオブジェクト (グラフや数式など) が含まれていて、非表示のデータが含まれている場合があります」と書き、Excel ではこれも検査で削除できない側に挙げています。埋め込んだファイルは、それ自体のプロパティやコメントを持ったまま入ります。
- 非表示のシート・行・列と、隠した文字:ドキュメント検査では別の項目です。Excel の非表示のシートは非表示シートの記事にあります。
- 本文・ヘッダー・フッター・ファイル名に書いた名前:ユーザー情報の欄ではないので、設定では残ります。ヘッダーとフッターの内容は、Word・Excel のドキュメント検査で削除できる別の項目です。本文やファイル名に書いた名前は、自分で確かめて直します。
- すでに送ったファイル:設定は次に保存したときに効きます。設定の前に保存して渡した写しは、そのままです。
保存した写しで確かめる手順
- 送るファイルの写しを作り、拡張子を .zip に変えて展開します。
docProps/core.xmlで、作成者(dc:creator)と最終更新者(cp:lastModifiedBy)の中身を見ます。docProps/app.xmlの会社名(Company)、docProps/custom.xmlのユーザー設定のプロパティも見ます。- Excel では、
xl/externalLinksのフォルダーがあれば、他のブックへのリンクが残っています。その中の_relsのファイルのTargetがリンク先のパスです。 customXmlのフォルダーがあれば、カスタム XML が残っています。word/embeddingsやxl/embeddingsのフォルダーがあれば、埋め込んだファイルが残っています。- Excel のメモとコメントの書き手は、
xl/comments1.xmlなどの<author>と、xl/persons/person.xmlのdisplayNameに残ることがあります。Word は変更履歴とコメントの記事の手順で確かめます。
ここに出てくる部品と要素の名前は、Office のファイルの形式を定めた公開の仕様 ECMA-376(英語)と、Excel のスレッド形式のコメントについての Microsoft の仕様 [MS-XLSX](英語)によるものです。
ScrubDrop でできること
ScrubDrop は .docx・.xlsx・.pptx をブラウザーの中で読み、アップロードしません。プロパティ・コメント・変更履歴と並べて、他のファイルへのリンク・カスタム XML・埋め込みオブジェクト・非表示のシートや行などを、種類ごとの件数といくつかの例で一覧にします。一覧にするのは無料版でもできます。無料版は 1 回に 1 ファイルで、プロパティ・コメントを取り除き、変更履歴は承諾して取り除きます。他のファイルへのリンク・カスタム XML・埋め込みオブジェクト・非表示の内容を取り除くのは ScrubDrop Pro の機能です。
取り除いたあとは、書き出しに使ったものとは別のパーサーで結果を読み直し、選んだ種類が残っていないこと、見えている本文と値が変わっていないことを確かめてから渡します。ScrubDrop はコメントや変更を残したまま名前だけを消すことはしません。本文やファイル名に書いた名前もそのままです。
よくある質問
この設定を入れておけば、ドキュメント検査は要りませんか?
要ります。Microsoft はこの設定を、ファイルのプロパティから個人情報を取り除くものと説明しています。外部リンク・カスタム XML・埋め込みファイル・非表示のシートなどは、ドキュメント検査では別の項目です。
Word の変更履歴の名前は、この設定で消えますか?
Word の開発者向けリファレンスによれば、コメントと変更履歴のユーザー情報は取り除かれます。ただし変更とコメントそのものは残り、日時の削除は別の設定です。Excel については、何を取り除くかを書いた Microsoft のページは見つけられませんでした。
ScrubDrop は外部リンクや埋め込みファイルを取り除けますか?
一覧にするのは無料版でもできます。外部リンク・カスタム XML・埋め込みオブジェクトを取り除くのは ScrubDrop Pro の機能です。無料版はプロパティ・コメントを取り除き、変更履歴は承諾して取り除きます。
出典:このページからリンクした Microsoft のページは 2026 年 10 月 19 日に確認しました。
設定に任せず、送るファイルの中身を一覧で確かめてください。ブラウザーの中で動き、アップロードしません。無料版は 1 回に 1 ファイルで、隠れたデータはすべての種類を一覧にし、プロパティ・コメントを取り除き、変更履歴は承諾して取り除きます。ファイルを確認